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-2017.3.3-
階段のかたち 2
[Ns House 2003~2005年設計]
以前から実現させたかった階段の形として壁から ニョキッと生えてきたような片持ちの階段。
しかも見た目の素材は木でやりたいというもの。(コンクリート製は時々ありました)
この時点で以前のトラス階段から得たアイディアが有りましたので自宅でテストを兼ねて持たせ方を考えてみました。
木製といっても下部のスチールの板が骨組みとなっています。(計算を行い、先端に150kgの荷重がかかった時にタワミ5mm程度を目標とする材圧を選んでいます。)
そしてもう一工夫としては、下板だけではなく逆T字型にリブを配して補強をしているのがミソです。
壁内部にはスチールのササラ桁が埋め込んであり、柱と間柱にガセットプレートを取り付け固定しているので思いのほかしっかりしています。
構造計算上は算入していませんが、意外とササラ桁が地震力に対抗してくれそうですね。
当初はすっきりとした圧迫感のない階段を目指して作りましたがベンチになったり、子供の勉強場所になったり、読書スペースになったり、遊び場所、物見台として使われていました。
机代わりに使う。
踊り場で遊ぶ娘。
テニスの壁打ちをする娘。(笑)
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こちらの意図しない使い方がされ、ますます階段という場所の可能性に着目しました。
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踏み板と蹴上、巾の寸法を自由に扱う事で上り下りの為だけではない視線の位置が変わりこの場所でしか得る事が出来ない心地よさのようなものを発想する事が楽しいと感じました。
この思いがこの後の事例の中での階段の扱い方に変化をもたらせた様な気がします。
子供も大きくなったので落下防止ネットを撤去して(壁打ちが出来ないとクレームが出ましたが・・・)
元々考えていた手摺を取り付けました。(製作は堀金属工芸さん)
この階段を見て、同じ階段にしてほしいというオーダーも多く頂き、今となってはFORMAの定番階段となっています。
おかげでNs Houseは今年で12年目となりますが、ガタツキも無くしっかり機能しています。