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京都府亀岡市
構造:木造2階建て
延べ面積:197 ㎡
家族構成:両親、夫婦
竣工:2013年-2016年
昭和29年建築の住宅で三世代にわたり住みつがれてきた民家です。構造材は所有の山から切り出された桧を使い、土壁、瓦葺きの地域固有の建て方で作られています。家族の成長(孫世代の独立や両親の高齢化)、変化に伴った暮らし方ができるように家も変化していく必要がありました。
耐震診断をし、劣化状況などの調査結果と、住まい手ご家族の要望をあわせて、全体計画を行い、そのうえで、住みながらの工事になる点、家族の暮らしの変化が予想される点もあり、工期を分けて計画を進めることになりました。
数年かけての工事になった場合も、全体計画(劣化改修、耐震性能の向上、断熱性能の向上、現在の住まい方に合わせた機能向上)の視点を持ちつつ設計を行うことで、徐々に、家全体の経年劣化の改修が施され、耐力の向上につながったリノベーションができます。
京都府亀岡市
構造:木造伝統工法平屋建て
延べ面積:144 ㎡
家族構成:夫婦
竣工:2019年9月
築90年超の茅葺の古民家を住み継がれてきたNさんご家族。 これからもこの家に住みたいが耐震性、冬の寒さ、段差が沢山ある等老後の不安を抱えておられました。
今回は住宅医による詳細調査を行い、事前に建物の状況を把握した上で予算と要望、その他の与件を整理し設計を行いました。
調査の結果、建物の西側に石垣が近接しており湿気が建物(劣化)に影響を与えていることが確認されました。
構造は伝統工法である石場建ての軸組で屋根はさす又組となっています。
更に、2か所の増築の痕跡が確認できました。
増築時の無理が構造体に現れていて 部屋の真ん中に柱がある等 生活に不便さをもたらしていました。
劣化が進む環境を改善し整え、劣化部分を改修した上で 耐震設計、温熱設計、機能性改善の設計、古いものを活かすデザインを心掛けました。
亀岡市の木造住宅耐震改修事業費補助制度も同時に活用しており、京都新聞社の取材を受け耐震改修の事例として記事掲載されています。
<strong>改修の方針概要</strong>
劣化改修
・屋根葺替(雨漏れ/傷み)
・樋交換
・外壁補修
・構造体 柱、梁の白蟻害
断熱改修
・屋根裏(小屋裏断熱GWt=210 105+105)
・外壁ふかし壁充填断熱(ゾーンを分けて断熱)
・開口部 断熱補強 樹脂サッシを追加
・床下断熱設置(ネオマフォームt=90)
耐震改修
・耐震診断上部構造評点の向上 偏芯を無くす方向で0.7以上を目指す
・基礎の増設
・耐力壁の追加
・水平構面の確保(コボットブレース)
・柱、梁の金物補強
・耐震ダンパー設置
・さす又の拘束部材追加
機能改修
・平面計画の変更(家事軽減/機能向上(段差少なく)/美観向上/古いものを活かす/等)
・設備機器の新設(浴室/トイレ/キッチン/洗面/給湯機器/薪ストーブ 等)
・仕上げ材の取替
京都府亀岡市
構造:地下RC造 地上木造
敷地面積:89.53 ㎡
延べ面積:106.36 ㎡
家族構成:夫婦
竣工:2008年9月
20年程前の造成地で、道路から1.8m上が宅地地盤となります。隣地の擁壁が不安定な状態にあったため、既存の家や隣地の建物が傾いていました。この問題をクリアするため、擁壁を再構築する際に生じた空間にRCの箱を挿入し地下と上部の基礎を兼ね、2層の軸組みを積み上げる設計としました。
クライアント夫婦の収集している骨董品が映える器となるようにと、家のコンセプトは「墨色の家=スミカ」としました。「スミカ」には、クライアント夫婦が「愛着を感じ永く棲み続けていける家=棲家(スミカ)」という願いを込め、建築手法では分離発注を用いたことから、「価格の透明性を目指した家=澄家(スミカ)」という意味が込められています。
京都府亀岡市
構造:木造2階建て
敷地面積:97.21 ㎡
延べ面積:67.01 ㎡
家族構成:夫婦 子供1人
竣工:2009年10月
計画地の法規制は、「第一種低層住居地域、最大可能建築面積は15坪、最大可能延べ面積は24坪」 という制限に対し、家族3人が住む家でありながら家人の陶芸のアトリエという機能を併せ持つ必要がありました。
陶芸のアトリエという性質上、アトリエ部分は別棟で計画し、その外壁はデッキ部分とのプライバシーを守る塀としての機能を併せ持たせる設計としました。
デッキ部分は、家のアクテイビティーと工房のアクテイビティーが融合する場でありながら、居間とひとつながりのアウトドアリビングとして、縁側として、中庭として、そして、多目的に使えるフリースペースとして利用できます。コンパクトでありながら内部と外部が融合する家となりました。
大阪府箕面市
構造:木造2階建て
敷地面積:96.11 ㎡
延べ面積:81.74 ㎡
家族構成:夫婦 子供2人
竣工:2009年11月
計画地は大阪の山裾に広がる住宅街に位置し、大阪中心部の高層ビル群が望めます。道路から 4メートル高低差が有り、石積み擁壁は昭和40年代に築造されたもので、構造的な安定が担保されないため擁壁に頼らず安定させ、擁壁に負担を掛けない方針での設計や工法が求められました。
クライアントからは、眺望を生かす事、内部空間がつながりのある事、白い外観、などが求められました。眺望を取り込めるという最大の利点を活かして、吹き抜けを中心とする空間づくりで、家のどこに居ても眺望を楽しめる設計としました。
また、各室についても間仕切りを開けると吹き抜けを通じてひとつながりとなり、閉めるとプライバシーも保てるという可変性を持った家となりました。
京都市東山区
構造:木造2階建て
延べ面積:151.01 ㎡
家族構成:夫婦 子供1人
竣工:2018年1月
<strong>設計趣旨</strong>
築50数年の工房併用住宅
建築主である陶芸作家の藤平伸氏が、柱や梁は大正時代に東山二条にあった油問屋の蔵2棟のいいとこどりをして移築し、工房兼自宅として建てた家です。大きな吹抜けのある土間空間、収集されていた小道具や自身の作品が至る所にあり、空間と相まって濃密な空気感を醸成していました。
部分的な経年劣化はあるものの、構造体は寸法の大きな部材が使われた建物です。今回の改修では、作品展示をする記念館、収蔵品庫と住居スペースを機能的に分けながら緩やかに区切り、それぞれがより快適で居心地をよくするために、建築当初の空間や雰囲気を活かした設計としています。建築当初の素材使いに氏の考えや想いがあると考え、途中に改修されていた部分を当初のものに戻しつつ、整合させていく手法をとりました。
記念館は、吹抜けのある回遊動線の展示スペースと二階小間という構成になります。小間は氏の画集が観覧できると共に展示スペースを見下ろすことができ、太陽の動きによってはステンドグラスから差し込む光のインスタレーションを楽しむことができます。
一年を通じて自然の光や偶然の事象を感じながらここで仕事をされていたのではないかと想いを馳せました。建築当時のままを活かすことで、作品と空間の関係性や、そこに流れる作り手の想いを感じていただけることを願います。
<strong>改修の方針概要</strong>
劣化改修
・屋根は桟葺瓦に葺きかえられている
・外壁のひび割れ部分補修
・構造体(湿潤箇所の改善)
・外構(門扉等)の補修、刷新
断熱改修
・びおソーラー設置
・基礎内断熱(ネオマフォームt=60)
・1階のみで暮らせるゾーン内で仕切れる計画
・開口部(内窓)設置
耐震改修
・耐震診断上部構造評点の向上 偏心量を少なくし0.7以上を目指す
・基礎(ベタ基礎)増設
・耐力壁の追加
・水平構面の強化 2階床面の強化
機能改修
・記念館部分、作業場、住宅部のゾーニングによる平面計画の変更
・記念館部に専用トイレ増設
・住宅部の回遊動線化
・設備機器の刷新
・以前改修に用いられていた新建材を建築当初のイメージと合う材料に取り替え整える
・2階は住宅部から記念館用途に活用
・2階は収納に備えての床強化
京都府長岡京市
構造:木造3階建て
敷地面積:97.73 ㎡
延べ面積:152.41 ㎡
家族構成:母1人 夫婦 子供2人
竣工:2010年8月
計画地は造成から30年以上経つ住宅地となります。
クライアントからは、
1.完全分離の二世帯住宅。
2.親世帯は落ち着いた環境で土と接する生活がしたい。
3.子世帯は夫婦共通の趣味であるオーボエの演奏を楽しみたい。
というご要望をいただき、そこから自ずと親世帯は1Fに、子世帯は上階に、という構成が決まりました。
しかし、完全分離の2世帯としながらも双方の気配が感じられるつながる部分は必要だと考え、中庭を1Fから3Fまでを縦に貫くライトウェル(光の井戸)とし、各階にテラスやBALを設けてコミュニケーション出来るスペースを設けました。上階の子世帯は、ひとつながりの住宅となっています。通常楽器のための防音室といえば閉ざされた密室というイメージですが、開かれた(インタラクティブな)音楽室という位置づけとしました。限られた空間を分節して閉塞させるよりより開放的でつながりを持たせる設計としました。それにより、演奏はもとより楽器の収蔵庫としてのギャラリー的な使い方も可能となりました。
音楽室の周りは日常ではダイニングやキッチンの機能となりますが、友人たちを呼んで演奏する時などはホールのホワイエ(休憩室)のような使い方も可能となります。1Fの親世帯は、前庭と中庭という2つの庭に面し、どの部屋からも庭を眺める事ができる開放的な空間となっています。
京都市北区
構造:木造2階建て
敷地面積:55.14 ㎡
延べ面積:54.99 ㎡
家族構成:夫婦
竣工:2011年7月
狭くて広い家(Small But Spacious House)
この名前はニュージランド出身のご主人が名付けられました。日本のように人口密度の高くないニュージランドでは、平屋建ての広々としたお住まいでした。それを考えると、床面積が 54.99㎡(16.6坪)の住まいをどう感じるか、それも、階段部分もある2階建てで・・・。クライアントご夫妻自身も不安に思われていたようでした。まずは、FORMAで建てた近い規模の物件を見ていただき、実際に広さを体感していただきました。その結果、「意外と広い。大丈夫だね。」という感想をいただき、安心して今回のお話を進める事が出来ました。その後に提案させていただいたスキップフロアの図面と模型を見ていただいた時の言葉、「Small But Spacious House!!」その言葉が示す通り、まさに「狭くて広い家」がこの家のコンセプトとなりました。
家づくりで最も重視したことは、この床面積でクライアント夫婦2人が暮らすうえで手狭感がないかという事でした。そうは言っても敷地面積は55㎡で、3方は隣家と高さが3mの擁壁に囲まれた町中の井戸のようでした。隣接地の景色を取り込む手法も使えません。そこで慎重に周囲の状況を読み取り、内部のボリュームを最大限に取り(天空率という手法により斜線規制を除外しています)、いかに広く感じるかに主眼をおき設計しました。
狭い空間を実際以上に広く感じて生活していただけるように、
・玄関を入ると高さ7mの吹抜けにより、上部への開放感
・スキップフロアーにより、内部のボリュームを最大限活用(2階建ての容積に6つの床)
・床面積に算入されない床を取り、収納スペースの確保
・各フロアに視線の抜けをつくる
・移動時の天井高さの変化による広がり感
のような点をしっかり考慮し、実際の床面積からは想像できないほどの広さと密度の濃い空間を実現しました。
※ 54.99㎡(16.6坪)・・・日本の一般的な賃貸住宅ですと、2DKか2LDK程度の広さです。
京都市西京区
構造:木造2階建て
敷地面積:164 ㎡
延べ面積:98.64 ㎡
家族構成:夫婦 子ども2人
竣工:2014年1月
「カジュトクラスイエ」は家のちょうど裏側にある小さな川沿いに、八朔、檸檬、柿、栗、たくさんの実のなる果樹が緑豊かに並んでいます。ちょうど秋から冬にかけての工事中は八朔や檸檬がたわわに実り鈴なりでした。
ご家族はご夫婦と小さなお子様が二人。元気で明るいご家族と、たくさんの果樹と、家の前にある大きな大きな山桜。街中の家でありながら、緑と四季がとても身近に感じられます。山桜はご主人の小学校入学の記念樹です。
大きくなった桜は家が完成した2014年の春も満開でした。「落ち葉の掃除が大変なんですよ」とおっしゃるものの、お隣のご実家のお父様がいつも掃除をしてくださるようです。お家が完成した日も、撮影の日も、お隣のおじいちゃんと遊ぶ子供達が2階の窓から見えました。ほのぼのする光景がとてもよく似合う家です。