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馬町の家F邸リノベーション

京都市東山区

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既存の平面や設えをそのまま残し回遊できる展示スペース。企画に応じてフレキシブルに使える照明方法を提案しています。

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展示スペースから庭へつながります。 蔵のような日射を抑えた内側から見る庭は明るく美しいです(作庭:eni )

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記念館の案内板 陶板と鉄の切り文字

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住居玄関と記念館の入り口。作品が迎えてくれます。

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写真右上の開口は二階の小間からの展望台

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企画、展示、運営は藤平三穂さんが担っておられます。

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6m以上ある吹抜けは立体的な展示ができます。

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小間から吹抜けの眺め

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小間は収蔵品のダイジェストが観られる空間

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ステンドグラスから差し込む光のインスタレーションが観れる時があります。

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ステンドグラスも収集品の一つです。

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ダイニングキッチン 白い円柱はびおソーラーのダクト

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窓は全て内窓を設置しています。手前のカウンター収納には台所用品と家電が納められています

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天井も既存の意匠を残し最小限の照明を設置しています。改修前よりLDKをコンパクトにすることでより落ち着き感がでました。

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洗面所への扉のステンドグラスは藤平三穂さんの作品です。

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洗面とユーティリティー トイレは洗面室と寝室から出入りができる回遊動線を作っています。外壁側は杉板貼り。

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玄関の収納 玄関側は下駄箱、寝室側は収納(クローゼット)です。一部はコートクローゼットとして両側から使えるようにしています。

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庭のお地蔵さま 作:藤平伸

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四季の変化を楽しめる植栽(作庭:eni)

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庭前の石組み、鬼瓦を利用したベンチ(作庭:eni)

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構造:木造2階建て / 延べ面積:151.01 ㎡ / 家族構成:夫婦 子供1人 / 竣工:2018年1月

耐震等級:0.22 → 0.84

explain

設計趣旨

築50数年の工房併用住宅

建築主である陶芸作家の藤平伸氏が、柱や梁は大正時代に東山二条にあった油問屋の蔵2棟のいいとこどりをして移築し、工房兼自宅として建てた家です。大きな吹抜けのある土間空間、収集されていた小道具や自身の作品が至る所にあり、空間と相まって濃密な空気感を醸成していました。

部分的な経年劣化はあるものの、構造体は寸法の大きな部材が使われた建物です。今回の改修では、作品展示をする記念館、収蔵品庫と住居スペースを機能的に分けながら緩やかに区切り、それぞれがより快適で居心地をよくするために、建築当初の空間や雰囲気を活かした設計としています。建築当初の素材使いに氏の考えや想いがあると考え、途中に改修されていた部分を当初のものに戻しつつ、整合させていく手法をとりました。

記念館は、吹抜けのある回遊動線の展示スペースと二階小間という構成になります。小間は氏の画集が観覧できると共に展示スペースを見下ろすことができ、太陽の動きによってはステンドグラスから差し込む光のインスタレーションを楽しむことができます。

一年を通じて自然の光や偶然の事象を感じながらここで仕事をされていたのではないかと想いを馳せました。建築当時のままを活かすことで、作品と空間の関係性や、そこに流れる作り手の想いを感じていただけることを願います。


改修の方針概要

劣化改修
・屋根は桟葺瓦に葺きかえられている
・外壁のひび割れ部分補修
・構造体(湿潤箇所の改善)
・外構(門扉等)の補修、刷新

断熱改修
・びおソーラー設置
・基礎内断熱(ネオマフォームt=60)
・1階のみで暮らせるゾーン内で仕切れる計画
・開口部(内窓)設置

耐震改修
・耐震診断上部構造評点の向上 偏心量を少なくし0.7以上を目指す
・基礎(ベタ基礎)増設
・耐力壁の追加
・水平構面の強化 2階床面の強化

機能改修
・記念館部分、作業場、住宅部のゾーニングによる平面計画の変更
・記念館部に専用トイレ増設
・住宅部の回遊動線化
・設備機器の刷新
・以前改修に用いられていた新建材を建築当初のイメージと合う材料に取り替え整える
・2階は住宅部から記念館用途に活用
・2階は収納に備えての床強化

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