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弟の家

京都市伏見区

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木漏れ日の昼下がり。暮らしと暮らしの狭間に土間。

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光に目を細めて。2階窓からの陽射しが射し込むダイニング。

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言葉と文字の世界へようこそ。階段に沿った壁面本棚。

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行ったり来たりの散歩道。DIYの机、ザブザブ洗えるシンク、共有の庭へと続く土間。

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光と影のキャンバス。2階窓からの光と影が映し出されるダイニングの壁面。

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食卓に感謝を。

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食べることは生きること。台所も料理も自由にクリエイティブに。

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出番待ちの楽屋。ガレージすぐの勝手口につながるパントリー兼ストックルーム。

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十人十色の居場所。

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メロディは庭をこえて。リビングとつながる防音室、庭へとぬける視線。

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七変化の防音室。楽器の演奏、音楽鑑賞、シアタールーム、読書、お昼寝、瞑想、大人のバー。

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時間忘れの工房。幅広い趣味を包み込む作業デスク。

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スタンバイOKの用具室。キャンプ、BBQ、海へ、山へ、活動のための土間収納。

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一緒に学ぼうの机。吹抜けに面した2階のワークスペース。

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真っ直ぐにつながっているね。2階、寝室から見るワークスペース、奥に子ども室。

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月と星と遊ぶ。大きな窓と吹抜けへの室内窓のある子ども室。

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うたた寝。広くとった階段の踊り場。

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(奥から)浴室→脱衣洗濯→WCL→洗面→トイレ(手前)

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こだまする。木にも神さま、木造の家。

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うつろい木立ち。陽の光で土間にうつる植栽の影。

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繁栄。庭の常緑樹と赤い実。

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これまでもこれからも。共有の庭を挟んだ向こう側は兄の家こちら側は弟の家。

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手をつなぐ。子どもと大人も、人と自然も、家と地域や社会も、つながっている。

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暮らしはつづく。家族も緑も一緒に定点観測。

《コモンズのある暮らし》

outline

構造:木造2階建て / 敷地面積:159.83㎡ /
延べ面積:123.27㎡ / 家族構成:夫婦 子供3人 / 竣工:2023年3月

外皮平均熱貫流率(UA):0.38W/m²K
冷房期の平均日射熱取得率(ηA):1.5
耐震等級:等級3

explain

家をどのように捉え、どのような過程を経て暮らしが営まれるまでに至ったか、その時々のタイミングでどんな気持ちでいらっしゃったのかが綴られたお手紙をいただきました。

久しぶりに長文メールを送ってもいいですか(笑)。
感想文みたいなものです。お暇なときに読んでいただけると幸いです。幾度となく寝落ちしてBackSpaceキーで1段落くらい消し去られるという苦難に合いながら書いていたら数日かかってしまいました。
そして、千恵さんのブログに先を越されてしまいました。ニヤニヤしながら読ませていただきました。中西さんご夫妻ととも作りあげた住まいがこのような形で記事になると、ちょっと恥ずかしいながらとても嬉しく誇らしく思います。

元々我々二人の中にやりたいこと、叶えたいこと、思い描く住まいの内部や外部の景色や家族の姿といった情景、というものが希望や夢という形でいろいろあって、そこに私のこだわりというのがこれまたいろいろあってという中で、それらはまとまりのない支離滅裂なたくさんのバラバラなピースであり、それらが本当にまとまって一つの住まいという形を成すのだろうか、それってどんな住まいなのだろうかと完成系は全く想像できない状態でした。そしてそれを叶えるには建築家さんにお願いするより他無いということだけは以前から確信していました。

そこに加え兄一家と隣地で家を建てるという壮大な計画、希望があり、そのための課題、条件がたくさんあって、これらを実現するためにも二つの家をまとめて建築家さんにお願いするのがベストという判断に至りました。元々建築家さんにお願いするという発想が全くなかった兄に、建築家さんにお願いするということはこういうことなんだと熱弁、説得したことが昨日のようです。そして今家が建ってから兄が中西さんにお願いして本当に良かったと言ってくれることを聞くにつけ「でしょ」と思う部分と「あーよかった」と思う自分がいます。

建築家さんを探そうにも何のコネクションも持たない私達にとって、どうやって理想の建築家さんを探せばいいのかさっぱりな状況ではあったのですが、インターネットを中心に色々調べに調べる中で、中西さんを見つけ出せたことは一番の奇跡でした。ホームページそのものの雰囲気、掲載されているこれまで建ててこられたお住まいの雰囲気、照さんの写真からにじみ出る雰囲気、千恵さんのブログから伝わる空気感、これらすべてに何か親近感というか波長が合う感じがしました。

建物という物質的な側面よりも、住まう、暮らす、居心地という部分にしっかりとfocusをあてて大事にしていらっしゃる感じ、理想の暮らし、家での時間、それを叶える住まいを共に考え、作っていただけそうだと思えたところが一番大きかったかもしれません。加えて、音楽室のある家の写真から感じた、こんな家が世の中に存在するんだという驚き、まさにこんな家に住みたいんです、これが夢なんですというピタッと感が決め手となって中西さんにお願いしようと決めました。

私自身の話で恐縮ですが、自分がどんなお医者さんでありたいかということを考えた時に、病気を治すという発想よりかは、病気や体のお困りごとを抱えた一人の人間としての患者さんとともに歩んでいける、そんなお医者さんでありたいと思っています。どのような生き方、生き様を望んでおられ、どのように死にたいと望んでおられるのかを大事にしながらそれを叶えるためのサポートをしながらその人の人生や命に寄り添えたらと、そんな風に思っています。Mさん(奥さま)も看護師として同じような感覚で患者さんと接していて、一緒に患者さんをみながら不謹慎にもこの人と一緒に歩いていきたいと思ってしまったわけです。中西さんご夫妻の我々住まいを作りたいと願う者たちとの関わりあい方に、我々の医療者としてのあり方がすごく近いものであるように感じていて、その点にも我々はすごく救われました。

我々の数多の夢や希望を整理する作業においては、中西さんご夫妻と出会うまでも夫婦で話すことはありましたが、最初に書かせていただいた暮らしアンケートのフォーマットが非常に整理しやすく、我々自身の頭も整理することができました。とはいえ、大変多くの希望をお伝えすることになり、本当にそれらすべてが一つの形にまとまるのかという不安はありました。結果的に自分たちの夢と希望をすべて盛り込んでいただいた形で、本当に自分達では逆立ちしても思いつかないようなアイデアでそれを具現化してくくださり、そしてそれらは決して支離滅裂ではなくて、加えて長く安心して快適に住まえる性能、強度を確保していただきながら、まとめ上げて頂いたことは感動でしかありません。

そこにきて住まい方提案書がまたまた感動なのですよ。出来上がった図面を見ながらMさん(奥さま)と住まい方提案書を読んでいるときのニヤニヤとワクワクと言ったらそれはもう(笑)。建つ家の形や間取りだけでなく、そこで暮らす情景が思い浮かべられて、その情景がまさに自分たちの夢や希望と重なってニヤニヤが止まらないわけです。

図面を見るたび、徐々に出来上がっていく家の様子を見るたび、中西さんご夫妻とお話をするたび、嬉しく、幸せな気持ちになりました。そして完成した家を見て、何よりもそこで暮らし始めての日々のなかで幸せな気持ちになり、あぁこれが夢見てた住まい、暮らし、居心地なんだと満たされた気持ちになりました。住まいを作るということにこれほどの幸福、満足を感じ、そしてその住まいでの暮らしにここまでも幸福、充足感、居心地の良さを感じることができるとは思ってもみませんでした。
(ご本人の了解をいただいて一部を掲載させていただきました。)

お手紙の中に書いてくださった千恵のブログ「居心地のもとめ方」
https://www.forma-fae.com/advisor/forma-otoutonoie-20230924

きっかけになった「音楽室のある家#02」
https://www.forma-fae.com/works/works-ongakushitsu02

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