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構造設計
-2024.6.24-
構造設計 許容応力度計算 耐震等級3 @陽と樹の家
構造設計の進め方
プラン時におおまかな構造計画と直下壁をイメージしながら空間構成の整合性を取っています。
この時点で協業する構造設計者に耐震等級3以上の性能が出るか確認します。
といってもこの段階で実際に計算を進める訳ではなく構造設計者の概算で進めます。
この段階で建物のバランスや弱点が見えてくるのでその部分を補完する工法や手法を構造設計者とやり取りしながら基本設計を固めていきます。
基本設計が出来上がります。
配置図、平面図、立面図、断面図、仕様が確定した段階で許容応力度計算をして柱、梁、壁が地震力に対してどのような力がかかりどのような大きさが必要かを確認していきます。
その結果を基本設計とすり合わせを行いよりよくなるように実施設計を進めていいく事になります。
今回は建築環境と建物間口の関係で南面吹抜+スノコからの日射と空気の流れをつくるパッシブ設計としています。
構造的にはこの部分が水平構面の力伝達不足が予想されていたのでこの部分はコボットステンレスロッドにおいて力の伝え方を補います。
これは以前の事例においても使用した方法です。
そして耐力壁を一枚追加することで等級3がクリアできました。
もともと追加する場所は想定していたので大きな変更とはなりませんでした。
でもお施主さんはドキドキされたかもしれません。 (すいません)
実施設計を進めていきます。
大まかなところはほぼ出来上がってきていますが肝心の断熱、省エネ性能についての検証を進めていきます。
-2024.5.17-
上部構造 補強打合せ (耐震ダンパー) @ひびきのアトリエハウス
基礎の打設が終わり型枠が取れました。
リノベーションの性能アップの勘所である耐震補強と制振ダンパー取付方法について監督さん、大工さんとの確認作業です。
耐震補強は地震に耐える事の出来る壁の強さを大きくする、個所数を増やす、バランスを整えると共に強さに合わせて柱や梁などの接合部が脱落しないよう金物で補強します。
制振ダンパーとは地震波(地震のエネルギーの強さの波)を軽減するための物です。
これを入れておくと地震の力が全て建物にかからなくすることができるのです。
こちらの記事を参照してみてください。
つまり地震の強さを弱めてくれる役割があります。
耐震を高め安全性の余力を担保する感じです。
取付もシンプルで大工さんにも理解してもらえました。
ここのところ既存住宅の耐震性能を上げ、南海トラフ地震等に備えておきたいというクライアントがありそちらにもおすすめしています。
おそらくそちらも採用となる予定です。
さて現場の方は柱の抜き替えの確認、梁の補強方法、既存の補強されたであろう梁の検証、減築した部分の確認などを打合せしました。
以前SALT HOUSEを担当された大工さんなのでコミュニケーションもスムーズにいきそうです。
スケルトンになった状態は昔の大工さんの仕事の様子が見られて当時の事が想像できて楽しい。
詳細調査で確認できなかった梁の掛け方も想定通りの掛け方、梁のサイズもほぼ予想通り。
不具合ありそうな接合部などは残らず補強していきます。
外構は瓦の再利用で塀や地盤面の舗装をセルフビルドで行う予定。
まあまあの量です!!
業務連絡
・TVは共聴もアンテナも使用しない 光で行います
・2F寝室、和室、1FLDKに有線LAN配線ができるように変更
次週の定例は木曜日となります。
-2024.5.1-
ひびきのアトリエハウス 配筋検査 耐震補強基礎
GWの中日ですが工事は進んでいます。
予想通りの布基礎であり、一部減築部の基礎を撤去した際鉄筋の入っていない無筋基礎という事が確定しました。
無筋の基礎立ち上がりに添える形で新たな基礎を設けて内側から補強しべた基礎(スラブ)で一体化させる補強方法を取ります。
減算段階でべた基礎を無くす案も出ていましたが採用しなかったのが正解でした。ナイス判断でした。
この建物は昭和53年に新築された建物ですが基礎鉄筋が入っていませんでした。
昭和51年頃の記憶ですが基礎工事で細い鉄筋が入っていたことを覚えていて実務に携わるようになってからの解体立ち合い現場を振り返るとこの時代は鉄筋ありとなし どちらも存在していたようです。
本日は鉄筋が組みあがり図面通りに使用されているかを確認する配筋検査を行いました。
指摘事項がありましたが是正確認できたのでコンクリート打設する事となりました。
既存基礎に穴をあけて鉄筋を差し込みコンクリートを打設して一体にします。
その後、風致地区許可の件で京都市役所へ。
-2022.3.11-
@Improve House 構造補強
許容応力度計算を行い 梁もすべて再計算させると持たない部分がいくつか出てきました。
下から梁を追加しボルトで縫う方法でずれを止めます。
床の合板が張られました 。
世間では材料不足で入荷が遅れていますがこちらは監督の直さんが前もって確保していただいていたようで問題なく予定通りに進みます。
屋根部分もほぼ完了。
金物の補強も進んでいます。
こちら、現場の抜け防止のための手がかりです。
-2022.2.25-
@Improve House 大工工事
お施主さんの現場見学
解体が終わり、設備業者さんが各部の点検と保守撤去作業が終わり
大工工事に入ります。
祝日ですが大工さんが床のレベルを見ながら際根太と大引の不陸を調整していただいています。
そんな中、お施主さんに現場を見てみませんかとお誘いしました。
そして色や素材を並べて再確認しました。
素材感と色の計画は実物に限ります。
そして現場で確認すると更によくイメージできる氣がします。
許容応力度計算で持たない梁が出てくることは予想していたけれど補強のための工事方法や納まりを部分ごとに検討して方向性を出すのは骨が折れますがやりがいもあります。
今週はそんな検討の結果を相談しながら進めていく予定です。
そして、お施主さんが氣にされていた外部の設備配管の点検の結果、滞留がちな場所があったり、給水の配管経路が錯綜していたり口径が小さいものだったり。
お施主さんと相談して、いっそのこと給水は新規でやり直し、排水は経路を変更するなどしてコストダウンを検討することになりました。
現場は生きている。
リノベーションの現場では新築のように予定通りにいかない部分もありますが対応力が求められます。
その分現場とのコミュニケーションは密になります。
そういう意味ではデジタル技術のおかげで様々なやり方が出きています。
現場も進化している途中です。