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-2013.6.26-
坪単価について
建築費について、坪単価はいくらかかりますか?という質問が良くあります。
FORMAでは過去の事例を基に、住むまでに必要な工事費を確認申請の延床面積で割った単価をお答えしています。
と同時に、一概に坪単価で比較する事が出来ないという事と、比較するにはどうしたら良いかという事を説明させてもらっています。
その内容とは・・・
坪単価の算出方法は簡単にいうと建築費÷面積という事になります。
建売住宅、ハウスメーカー、工務店、設計事務所がそれぞれこのように単価を出していますが、建築費や面積という概念が共通では無い事に問題が有ります。
つまり坪単価はこう出しなさいというガイドラインは無く、各社各様に出しているのが現状なのです。
建築費には仮設費・本体工事費・設備工事費・別途工事費等が有ります。
別途工事費:(地盤改良、照明器具、エアコン、太陽光発電等の設備機器、外構工事費)
家の予算は本来全てを合算した金額となるはずなのに、不確定な要素は別途にして建築費を出しています。
不確定な要素
1.[仮設費]
これは建築敷地の状況によって足場、安全計画に関する費用にバラつきがある。
2.[設備工事費]
建物内部の工事費は明確になりますが、建物から外の部分の設備工事費は敷地の大きさによって変わる。
3.[地盤改良]
調査してみないと可否が不明。
4.[照明器具]
好みが有るので選定に巾が有り一概に計上しにくい。
5.[エアコン]
選定に巾があることと、家電量販店で取り付ける等建主の意向による。
6.[太陽光発電等]
屋根形状や設置容量のバラつきがある。
7.[外構工事費]
敷地の広さや好みの幅がある。
別途にする供給側の理由としては宣伝や営業トークの数字を一律に出来るという事が言えます。
別途事項を謳っておけば固有差は物件毎に対応するという考え方です。
ですので、同じ条件で比較する事が大切ですという事をお伝えしています。
別途となっているにも関わらず、建てる側は建築費だけに目が行って不確定要素部分の金額がおざなりになり坪単価だけが一人歩きするという事態になります。
次に面積についてもこの面積で割るという統一されたルールは有りません。
ややこしいですが面積には色々あり、建築基準法上の建築面積、延床面積、ハウスメーカーや工務店の概念である施工面積。
施工面積には延床面積には含まれない玄関ポーチ、テラス、バルコニーの下階、床下収納、天井収納、ロフト、地下室等が含まれます。
まとめると坪単価とは坪当たりの単価なので建築費が安くなるほど単価は下がり、面積が大きくなるほど単価は下がるという事です。
別途部分の把握と面積の算定方法を判別する事が出来て初めて比較できる事になります。
しかし、工法や使用建材が違う建物の単価を比較して何が得られるのか疑問に思います。
坪単価は建てる側が高い安いを比較するための指標ではないのです。
それが広告のうたい文句のように使われ出したころからややこしくなったと思います。
本当にお知りになりたい事は、自分たちの求めるものが無駄な費用がかからないように納得の価格で失敗なく手に入れる事ではないでしょうか。
家を建てる時、設計事務所に頼むという事は建築主(施主)の代理人として専門的な技術、デザイン力、総合力を持ったプロを味方に付けるという事です。
信用のおける専門家(味方)を見つける事が賢い住宅の建て方成功への近道だと考えます。