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-2012.2.7-
手摺の施工例(その2)
前回のコラム「手摺の施工例」に引き続き、FORMAが設計時にこだわる「手摺(てすり)」の実例を紹介したいと思います。
■「丹波平屋の家」
「ロフトの手摺」
平屋の造りですが大屋根形状に天井を張り上げているので高い小屋裏空間が有ります。
この部分に床を造り、ロフトにあるご主人の居場所(DEN)にしています。
DENの手摺は小屋裏の木組みが印象的なので、同じ材料である木でがっしりと造り、同色塗装で仕上げています。
床に座った時に、目線あたりに来る横桟は細めの部材としています。
居間のペンダント照明の光で壁に横桟の陰影がきれいに出ています。
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■「NsHouse」
「階段手摺」
片もち階段を印象的に見せたかったので、手摺をつけるのが嫌でしたが法規上、生活上は必要なのでつけないわけにはゆきません。
手摺と分かるものではなく、一枚の板が立てかけてあるように取り付いているというイメージの手摺を造りました。
握る事は出来ないので寸法の大小を組み合わせて掴みやすくしています。
(本町の家では更なる改良を施してより手摺を握りやすくしています。)
「2階のホールと吹き抜けの間の手摺」
手摺の向こう正面にはTVが有り2階からも見る事が出来ます。
このような理由から座って視界を妨げない位置に開口が有ります。そのままでは落下の危険があるので、ポリカーボネートという透明の板をはめ込んでいます。寸法指示をして大工さんに造作してもらいました。
木製で手摺というと丸い既製の手摺が多く、取り付けるやジョイントが金物でFORMAの造る空間には合いません。
合う既製品があれば使う事もあるかもしれませんが、やはりワンオフで造る方が空間に合った物が出来ます。
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■「松ヶ崎の家」
こちらも階段の手摺となります。材質はスチールのフラットバーで床材と同系色のOP塗装で仕上げています。
造形はシンプルにして階段を引き立たせる脇役としています。
余談ですが作製途中に工場で見たこの手摺が黒皮状態だったのを見た時、ソリッドなイメージがすごく良くて、いつか黒皮の状態で使いたいと初めて感じた瞬間でした。)
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■「UTSUWA」「高台の家」
こちらは同年に竣工した物件で手摺の形状は同一です。
お子様の年代も同じくらいで。「NsHouseのような階段で」というオーダーも同じでした。
部材は定番となりつつあるスチールフラットバーでこれの先端を曲げ、階段の踏み板部分に貫入させています。
階段を引き立たせるだけでなく造形の面白さを取り入れました。