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-2013.1.16-
耐震リフォームの事例 -耐震リフォーム工事の費用と耐震リフォームのメリット-
今回は、昨年度ご依頼のあった耐震診断からリフォーム工事までの実例報告です。
物件概要:昭和40年代の一般的な住宅
・用途:専用住宅
・構造規模:木造2F建て
・築年:昭和49年
・延べ面積:60㎡
耐震診断評点:0.15
倒壊する可能性が高いという結果になりました。
診断の報告に合わせて耐震リフォーム計画と概算予算、補助金のご説明をさせて頂きます。
住みながら工事をしたいというご要望でしたので、リフォーム中に生活の負担が少なくなる方法を考え計画をしています。
解体後に建物全体の構造要素を全て洗い出し確認したところで再設計を行います。
非破壊前の目視調査では不明だったところに筋交いが入っていたこともあり、評点は0.7以上に出来る可能性が出ました。
耐震リフォーム後の工事概要と費用、メリット
改修結果:評点1.01
工事の概要
・改修概要:屋根の葺き替え(軽量化)
・外壁の塗装(劣化箇所是正)
・耐力壁の追加(8箇所)
・工事部分の断熱(天井、壁の一部)
費用
・工事費:290万円
・設計監理費:40万円(補助金申請も含む)
・行政補助金:90万円(行政から建築主に支払われます)
・実質支払金:240万円
改修後の評点が1.0以上になると、「一応倒壊しない」という判定になる他、以下のメリットがあります。
・固定資産税が2年間1/2(半額)
・改修費用の10%を所得税額から控除(33万円)
・地震保険掛金の割引がある。(保険の種類によりますが10%割引が多い)
申請の流れ(この事例の場合)
1.補助金交付申請
2.補助金交付決定通知
3.補助金交付変更申請(解体後変更が生じたため)
4.変更承認通知
5.中間検査
6.完了検査
7.実績報告書
8.補助金確定通知
9.支払請求書
10.行政から建築主に補助金が振り込まれて完了
申請書類、図面や計算書等は設計者が準備し、登記簿や住民票等は所有者が準備します。
設計監理の内容
設計者が必要な図面、計算書、書類を関係行政に提出し、訂正や不備等についても対応します。
工事業者選定の助言、工事契約時の立会い、工事中は設計図書通りに施工が行われているか、現場での対応方法の相談決定等を行い、最終監理報告書作成し報告します。
工事中において、新築の場合と異なるのは解体現場に立ち会い、目視ではわからなかった部分の調査を行います。(梁の組み方、耐力壁、劣化の程度)
その上で再度よりバランスの良い方法を検討し、設計を見直す場合もあります。
耐震診断させていただく際に、工事費がどれくらい掛かるかや、補助金のこと、住みながら工事が出来るのといったことがよく質問されます。
一つの事例ですが、参考にしていただけると良いなと思います。