category
-2021.10.17-
耐震診断依頼者の思い
昭和56年以前の一戸建ての住まいを耐震診断して 地震の備えを行うにあたってまず強さを知ることからはじめましょうということで
亀岡市の耐震診断士 派遣事業に協力しています。
今日は耐震診断報告の日でした。
杖をついて入ってこられた白髪の女性。
申込者がご主人のお名前だったのでてっきりご主人が来られると思っていました。
こんにちは!
京都で設計事務所をしている中西義照です。
奥様に耐震診断の結果、改修した場合の工事の程度、金額、補助金が使える事などひととおり説明を終えて雑談。
「いやー主人は家の事に全然興味がなくて・・・」
「家の事は全部私がしないといけないので地震が心配なんやけど、足も悪くて全然進みませんのや」
「あと10年はここに住み続けていくつもり、その間に地震があったらどないしよと思うんです」
以前、相談のあった方も同じような事をおっしゃっていたなぁと思い出す。
奥様は心配で早く進めたいけど、ご主人の気持ちが前向きにならない。
奥様が前向きになるほどご主人は・・・
お話できる機会があればこちらも全力で必要性を伝えるのですが、それ以上出来ないことが歯がゆいです。
「耐震改修というより、これからの暮らしをどう楽しむかという視点で話すと意識が変わるかも」
とか
「何を楽しみ、どう実現させるかにフォーカスしてこれからを考える」
とか
「目を向ける方向を変え、一緒に考えられる場をつくることも必要かもしれません。」
とお話しさせてもらいました。
「そうですね! そんな話をしてみようかな^^」
と去られる奥様の後ろ姿が寂しそうで やるせない気持ちになってしましました。
自分に置き換えると、いつでもパートナーの言葉をしっかり受け止め全力で応えないとと心にグッとくるものがありました。
耐震改修をしない場合でも、寝る部屋だけでも安全性を高める工夫、すぐに外に出られる準備をしておくことなどを提案させていただきました^^
よりよい関係性と楽しい未来に進みますように!