いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

category

-2021.11.1-

施主は孤独 6

 肝心の土地は売れたかもしれないし売れていないかもしれないという状況のようです。

もし売れていたら、また土地探しからとなり一から計画のやり直しということになります。

そうすると井元さんの今迄の動きが無駄になってしまいます。

家づくりの最中にはありがちな局面ですが、打ち合わせの期間や内容が濃い段階まできているのでここからの軌道変更は思い切りが要ります。

井元さんの負担にならなければよいなと思いながら かわちゃんという人がやっている工務店のHPを紹介したのでした。

その日、かわちゃんはモデルルームの工事がほぼ終わり外構の工事にとりかかる為の打ち合わせ。

周囲の工事状況に気を配りながら片付けをしようとしていた時に電話が鳴りました。

「久しぶりの人からやな」 

この前の見積の時以来なので1年ぶり

クライアントの依頼内容と経緯を聞いて、前回は見積の予算が合わず受注できなかったことにが引っかかっていたこともあり、すぐに会う事を決めました。

井元さんもかわちゃんのホームページを見て合いそうな印象を持っていました。

そもそも井元さんが既存路線からいったん降りる決断を理由は

「ウッドショック問題」

業界内ではインパクトの大きな嵐の影響が出始めかけていたのです。

業界内では既知のところ未知のところと情報は錯綜していました。

こちらでは九州の木材商社、国産の林産地、付き合いのある製材所、大手のプレカット工場や商社などこの時点でストックがあと数か月内にはなくなり、材料単価も上昇するだろうとの意見が出てきだしたところ。

大手ハウスメーカーやビルダーは既に国産材などの確保に向けて動き出しているとの情報も入ってきていました。

今後の工事に大きな影響が現れそうという段階。

井元さんは「ウッドショック」についてこれまでの工務店に聞いたところ、

納得を得られる説明がなかったところに不信感があったようでした。