いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

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-2021.8.16-

フレキシブルボード 外壁

数年前に サイディングの素地のような壁材発売され、よく見かけるようになりました。

素材の持つ本来の性質に着目し、経年変化や不均一さに美しさを見出しそこに価値を感じる侘び寂び文化に近いものを感じます。 

発売当初、大手メーカーがこういう価値の伝え方をするのは驚きでした^^

インスタグラムで素材の魅力について事例を挙げているので参考にしていただきつつ、今回は設計段階から試行錯誤した事例を紹介します。

2013年頃にフレキシブルボードを外壁に使うということであれこれ検討していた時の話です。

フレキシブルボードは工場でプレス加工で作られるため、寸法がきっちりしていて、不燃材、耐水性、耐衝撃性に優れています。
軒天井や壁の下地に使われる場合が多く外壁材として使われる事は稀ですが材料特性は外壁でも使える可能性を秘めています。

ジョイント部や出隅、入隅、サッシとの取り合い部分の納め方をよく検討することが大切です。
見た目では留め方も重要。
・板状の材料なので、潔くビス留めしてビスが見えるようにする。
・下地に面材を貼り全面接着する。
・下見板風に上下に重ねて貼る。

この3パターンを基本に考えました。

よく見るとメーカー毎に色合いも違います。

A社は白っぽく
M社は続いて白っぽく、裏面は若干色が濃いです。
N社は一番濃くムラが有り、今回のイメージに近いです。

メーカーの方にも聞いたのですがロットによっても色合いは大きく変わるようです。
(そもそも、下地材なので色合いまで管理しませんよね)

仕上げには撥水剤を塗布するので濡れ色になりますが乾いてしまうと乾燥した状態に近づきます。

実際モックアップで確認すると(両サイドの柱型部分)、近くでの見た目はよかったものの、遠目では塊のようには見えなかったこともありモルタルで軽くコスって仕上げてもらいました。

フレキシブルボードを使ってみて、非常に面白く、表現の可能性のある素材だと思いました。

既に建築から8年以上経ちますが経年変化もよさが増している感じです^^


今後の展開としてはもう少し面積を増やして塊感、量感を出す方向を追求してみたいと思います。