category
-2018.5.29-
「聴竹居」 再訪 前回とは違う感じ方が出来ました
前回は建築見学で建築好きの仲間たちと訪れたのが4年前の2014年5月。
その時の「聴竹居」見学レポートもご覧ください。
https://www.forma-fae.com/wp/event-chochikukyo
(※当時は内部掲載の許可もらっていました)
こんにちは、京都の設計事務所FORMA(フォルマ)建築研究室
住宅アーキテクトの中西義照です。
聴竹居は2017年に昭和の建築家の自邸として初の重要文化材に指定されました。(日経新聞2018/5/29)
今回も5月の新緑の季節に見学に行きました。(※内部写真は掲載の許可を得ていませんので掲載いたしません)
以前に感じた居心地のよさと美しく見える寸法の関係を再確認したいというミッションを課していました。
実測図集も得てやる気満々。
実際内部に入ると、次々に感じる心地よさや驚きが交錯してミッションは最初からどこかに行き、体感するのみの見学になりました。
確かめられたのはメーターモジュールで設計されているということ、居間の天井高さが2700。
天井高については体感より高い事に驚きました。(寸法は目測で近い線まで言い当てられる特技があります)
これは空間の取り方と対角方向に遠近感を強調するような仕掛けを用意してあるので体内センサーが狂ったのかも知れません(笑)
逆にとらえるともっと小さな家でこのような手法を取り入れると広がりを持たせることが出来るのかも知れませんね。
また、和とも洋とも言えない不思議な雰囲気もも特徴の一つ。
使われている素材は、床は松板、壁は和紙、天井は網代や和紙、板張り等。
障子や欄間、床の間や仏間、神棚においても室内デザインに溶け込むような配慮が施され唸らせられた。
一方、こ上がりのような畳スペース、一室空間(ワンルーム)として温度差換気を使って空気を循環させる方法、小さな子供室などは自邸でも取り入れた方法。(うれしくなった)
そして、斜めラインに対しての軸線を意識した設えは非常に生活者の身体感覚を基に設計されているような気がする。
視線の抜けや仕切り越しのレイヤーを見る時の景色を意識して設計されたのではないだろうか?と感じました。
建築家 藤井厚二は「環境共生住宅」を志向し、実験住宅を建てては居住、実証、改善を加え、「聴竹居」は5番目の実験住宅。
「其の国を代表する建築は住宅建築である」の名言を読むと現代の状況において設計活動をするものとして襟を正して良いものを残していかなければならないと再認識するのでした。
実験住宅なので無機質な空間という先入観がありますが、この住宅を見る限り設計者の家族に対する愛が溢れていて、非常にハートフルな設計となっています。
住宅は建築は人の暮らしの場です。
住まい手の家族が気持ちの余裕を持て、季節や時間に応じた美しさを感じられ、快適で居心地良く暮らせ、それぞれの居場所がある家を設計をしたいと思います。
今回はちょっと真面目に書いてしましましたね。^^;
寸法は本を見ながら再確認してみます^^;
京都の設計事務所FORMA(フォルマ)建築研究室、 住宅アーキテクト 中西義照のブログを読んでいただきありがとうございました!