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-2017.10.16-
「ゆるがないデザインを学ぶ」 に参加して
講演会に参加してきました。
野池政宏氏というと自立循環住宅研究会の主宰やパッシブデザイン協議会の理事を務めパッシブデザインや省エネ住宅に関する幅広い情報提供を継続的に行う方。
野池氏がコーディネーターを務め建築家である二氏を交えてパッシブという切り口からデザインの深部に切り込むというテーマが非常に興味深い。
設計をするうえで、パッシブとデザインについて二氏の考えにも興味がありました。
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堀部氏の講演。
自身が大切にされている感覚や心象風景に触れ今の設計の根幹がそのようなところにあるという話を踏まえて。
利己的な建築に未来はない。
利他的な建築には共感の念が抱かれる。
これから人口が減り、車中心の道路のあり方が変わる事を見据える中で今後の道路と敷地の関係性を模索しているという事。
場所の歴史や素材、工法を大切にして設計をする事で風景を作るという意識を持つというようなお話しでした。
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米谷氏はパッシブデザインに立脚して自作事例のレクチャー。
ゆるがないデザインを定義するとすれば・・・から始まり。
地域性、敷地の特性を読み込んでより効率の良いパッシブ住宅のあり方と住まい手の思いに寄り添い、読み解いていくなかでのデザイン手法について話されました。
非常に理論的なお話しでした。
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そして、ディスカッション。
二人が大切にしている事の二つが言葉は違えど同じことを大切にしているという。
それは、温熱環境を整える事。
住宅という個人の建築と言えども公の資産(風景)となる建築として設計する。
この二つでした。
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二つの大切な事。これはどちらも利己的でなく利他的な考えのもと作られているという事。
利他的なるものの考え方という事は最近では良く耳にするようになっていますが、建築も利他的であるように設計する事が客観的にも、個人的にも幸せな方向に向く事は間違いないと思います。
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FORMAで実践してきているいくつかの事と共通の部分もありました。
同じ時代に場所は違えど建築設計をするものとして肌で感じている問題意識は其々ですが未来を考える時にパッシブデザインは避けては通れない手法だと思っています。
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50年後100年後も愛され、存続し風景となる建築を設計する時、何が大切かを明確にする姿勢がゆるがないデザインにつながるのではと思った講習会でした。
いいお話が聞けました。
ありがとうございました。