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-2017.2.17-
福祉住環境整備 事例
親御さんが住まれているご実家の相談です。
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お母様は足腰が弱ってきていて、手摺伝いにしか移動が出来ません。
寝室とダイニングキッチンが主な居場所になっているものの居場所が家の中程になっていて、太陽や外への眺めが無い薄暗い場所に一日中電気を点けて暮らされていました。
娘さんはDKの壁をぶち抜いて南側にある応接室につなげ、大がかりでもいいので部屋を少しでも明るくしてお母様に気持ちよく暮らしてもらいたというご希望でした。
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応接室は南に縁が出ていて庭へとつながっており、南からの陽射しで明るく気持ちの良い居場所に感じました。
幸いこの部屋は広さも有り、ベッド、整理ダンス、TV等の身の回りに必要な備品が全て納まりそうです。
ただ、出入り口と縁側の敷居が約30mm程あり危険なのでこの段差を取り除き手摺を取りまわしてDKや水廻りに移動できるようにしました。
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将来車椅子となった場合でも介助がしやすくなるように動線の確保と外部からのアクセスも良いので応接室を寝室と寛ぐ場所という位置づけで改修する計画となりました。
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工事の内容は当初より小さくなりましたが現在の状況で作り込み過ぎず将来への可能性を広げる提案ができたのではないかと思います。
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福祉住環境コーディネーター(FORAM中西)が作った計画案を基に、担当ケアマネージャーと現況ベッドの移乗と動線、身体の操作に問題が無いかを検証して若干の修正を行い工事に入りました。
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現地調査時はカーペットが敷かれていてわからなかったのですが昭和40年代に作られた家によく使われている寄木調の床材は劣化が進んでおり、根太の無い部分のジョイントが相当弱くなっていて、体重が強くかかった場合は床が抜けそうな箇所が数か所ありました。
結局、下地の合板を張り新たな床材を貼る方法で補強し、敷居段差を無くす事が出来ました。
[工事は亀岡市南つつじヶ丘の倉昇工務店さんです]
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今後このような床材が存在する場合、劣化の判定を事前に行う事が必要だと感じました。
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工事は無事終わり、後は寝具や家具備品類を入れて頂き、お母様の使いがってを再確認するところまでを行います。
将来に備えての外部動線も今後の為に計画しておこうと考えています。