いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

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-2016.11.6-

玄関の木製建具メンテナンス

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10年経った木製の玄関扉。
昨日、2箇所ある鍵の一つが閉まらなくなり、業者さんに直してもらった後、滑りもよくなり喜んでいたら、家人帰宅時に戸が閉まらなくなったとの事。
確かに押しても引いても動かない。
先ほどまですいすい動いていたのに・・・
扉を外して見てみると鴨居の側面に擦れた後が有りました。

土曜の夕方、明日は日曜日なので職人さん達も休み。
とりあえず、自分で直す事を決意し早速何が原因かの検証から始めました。
現状の見立てでは
・鴨居の側面のみ擦れ後と部分的に削れてささくれ立っている。
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・外部側のガルバリウム鋼板の端部がめくれている。
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・扉が外しにくい(閉まらないところでやると持ち上げてもほとんど動かない)
・取り付け直しても最初は動くが全開してからしめようとすると同じあたりで動かなくなる。
・甲丸レールも部分的に削れている。(下方向若しくは横方向に荷重がかかったよう)
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・戸車は交換した所で問題はなさそう、くるくる回る。
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以上を踏まえて推察すると
・ガルバの端部が鴨居の側面にあたっている。
・扉の反りが原因かもしれない(過去10年間はそのような事はありませんでした)
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この時点では特定はできませんでしたが試行錯誤しているうちにガルバの端部をよく見ると木の削りカスのようなものが挟まっている事に気づきました。
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これではっと気づきました。

鴨居の側面に斜めの筋が入っていて切り込みのようなものがが数か所あり、建具が動かなくなった部位と整合します。
これで確信しました。

ガルバの端部を平らに直しても斜めの筋のところで必ず端部が筋にめり込みカンナのように木にめり込んでしまう事が原因でした。(上の写真を改めてみると削れた木が挟まっていますね)

ガルバ端部を斜めに折り曲げ抵抗を少なくし、3か所程筋の入った鴨居溝の側面を専用のカンナで削り整え、戸の溝に入る部分をカンナで削りアソビを0.5mm程とりました。

今回使用した道具はラジオペンチ、カンナ、鴨居溝用カンナ(父借り物)、金槌、ポンチ(細かいところの釘を打つ)これで直す事が出来ました。
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中でも鴨居の溝ソバを削るカンナが大活躍しました。
実家の道具置場で見たような気がして聞いたところ有りました!(以前に大工だった父の道具にはいつも助けられています)

自宅なので色々と実験的な事をしています。
今回は玄関扉の引込部分に雨がかかる事からガルバリウム鋼板を貼りました。
鋼板は熱で伸び縮みするので釘が抜けてくることやゆるみが出る事を想定していましたので動きが少なくなるように施工して頂きました。
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全体的にはうまく機能していたのですが、今回の扉の取り外し時に少しですがガルバの端部が引っ掻かりが出来たのではないかと思います。
10年間は問題なく動いていたのでこれが原因ではないかと思います。
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これを踏まえて、今後可動部とガルバリウム平板との取り合いにはこのような事が起こる可能性が有ると考えて、ガルバリウムの留めつけ方法を工夫する必要が有りそうです。
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例えば
・ジョイントとなる端部はテーパーを取る。
・そもそもジョイントを作らない納まりとする。
・鴨居側側面をプレートを入れる等して補強する。
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なにはともあれ、おかげさまで無事直りました。
お休みにも関わらずLINEで付き合って頂いた神薗専務さん(施工工務店さん)に感謝です。
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過去の設計事例でガルバを貼った玄関扉はNsHouseしかなく、自分的にはすごく気に入っている部分の一つなのです。
自分で修理をする事で問題点が浮き彫りになり更に設計にフィードバック出来るという好循環!
次回はバージョンアップして採用して見たいと思います。
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工事は素人(道具の種類とか使い方、段取りだけは分かっているつもりの設計者)なので再発があるかも
その時は工務店さんに直してもらいます。(笑)