住まい方アドバイザー 中西千恵のブログ

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-2023.7.22-

つながる住まい

今週、月曜日から4日間続いた日経新聞の記事「私の住まい 変わるかたち」

1、「家族とは」考える空間

2、定住にはこだわらない

3、「買う」から「作る」へ

4、最期まで好きな場所で

それぞれの住まいへの捉え方で、かたちは多様で、自分にとってのいいかたちを模索しつつ暮らす人の姿を感じ、自分たちの住まいをあらためて考えてみることになりました。

「家族とは」考える空間 ー2023年7月17日(月)日経新聞朝刊ー

「自宅隣のアパート、窓に明かりがついているだけで安心する」歌手・女優の中尾ミエ(77)は目を細める。60代に入った頃、東京都内の自宅敷地でダンススタジオだった建物をアパートに改装した。当時は一人暮らし。友人らに住んでもらい、しょっちゅう一緒に食事などできればいいなと思い立ったのだ。

今は20〜50代の6人が暮らす。敷金・礼金、更新料はなく、家賃のみの好条件。「その代わり、いざとなったら助けてもらう。その安心感はある意味、賃貸収入よりもずっと大きい」と中尾。ちょっとした力仕事でも手を借りられる。最近は皆の協力で敷地内のログハウスを改装。室内で談笑するのが楽しみだ。

住人の大橋てつじ(51)は「ミエさんとは実母より長く濃い付き合いになった。ここまでくれば老後まで支える覚悟」。十数年、住人の入れ替わりはほとんどない。もっとも常に一緒にいるかといえば違う。中尾は「忙しいと1年まともに顔を合わせないこともある。だからこそお互いに気が楽なのかもしれない」

日本の住まいは今まさに変化の渦中にある。少子高齢化が加速するなか、同じ屋根の下で一緒に、または近くで助け合って暮らす相手が血縁のある家族とは限らない。家は新たな人間関係を築く場になりつつある。

ここまで。

迫真・私の住まい 変わるかたち

記事の後半は、学生寮を改装・再生し「拡張家族」血縁に関わらず集まった人同士が家族として暮らすシェアハウスや、子育てに血縁のない他人が助け合い同居するシェアハウスなど、「家族とは血縁のある人という意味ではない」家族の住まいのかたちについて書かれています。

助け合いのあるつながりがある、困ったときには助けてくれる人がいると感じながら暮らせる。その安心があることは、不安が少なくなるとも考えられます。

逆にいえば、その安心感がない住まいは、自分の住まいで、もしもに対しての不安に対応できるだけの備えをしなければならないということでしょうか。経済的な備え、家へのもしもの備え、どんどん重装備になりそうです。

将来への不安が大きくなればなるほど、経済的な備えを必要として、さらに忙しく収入を得ることに時間を使うことにつながるのかもしれません。

今の時間を将来への備えのために使う。テクノロジーが発達しているのに、人々の生活はどんどん忙しくなる。なにかおかしい気がします。

人とのつながり、助け合うことができるつながり、困ったときは助けて欲しいと言えるつながりがあることで、安心して今を生きられる。

居心地のいい暮らしは、家だけではなく、血縁のある家族だけではなく、どのように人や地域や社会や自然とつながるかまで広げて考えていくことが必要なのでしょうね。

我家は子どもたちが小さいとき、同じ保育園のお友達家族とお互い助け合って子育てをしてきました。近くで助けあえるつながりがあることで週末仕事の私たちは子育てができたと思います。

お隣のおじさん、お向かいのおっちゃんとおばちゃん、同じ自治会の同じ組の人たち、地域の中に暮らす一つの住まいとして、まだまだひらいていくことが考えられるよね。と、私たちの住まいについて身近なことから考えるきっかけになった記事でした。


うつろい家デザイン FORMAフォルマ

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