住まい方アドバイザー 中西千恵のブログ

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-2023.10.4-

居心地のもとめ方

先月末、半年点検ということもあり暮らして半年のKさんちへ行ってきました。

ご家族の生活スタイルに合った環境がととのえられていて、Kさんの『暮らし』がつくられたことを感じました。

京都の建築設計事務所 FORMAフォルマ 住まい方アドバイザー 中西千恵です。

物がとても多いですとおっしゃられていたKさんですが、生活必需品ではない暮らしの潤いになるものや、趣味やご自分たちの活動に使うものが、Kさんたちの暮らしにとっては必要なものとしてあります。

それら使うものは、使い勝手のよいところに使いやすいように収められています。使うためではないもの、あることで心豊かになるものは、自然と目の触れるところに飾られ、なんと気持ちのいいことでしょう。

設計者のテルさんと話すと、当初もう少しリビングに広さがあるといいかと思ったそうですが、音楽室がリビングの延長として使われることで解消できそうだと考えたそうです。

訪れてみると、音楽室は予想以上に日々の生活に溶け込んだリビングとして使われていました。楽器の演奏はもちろん、昼間は子どもたちのお昼寝、夜は大人たちの飲みながら語り合う場として、大音量で楽しむシアタールームとして、まさしくリビング(居間)です。

Kさん(弟)の家はお隣が兄の家です。兄夫婦とお互いの子どもたちが寝静まった後にここで集うそうです。兄弟の仲のよいことでこの楽しみが生まれているのがとても素敵です。

階段をトントンと上がりながら、気になった本を手に取り、光を感じながら本を読む居場所がつくられていました。本から視線を上げると景色が広がります。さて、今日はどんな本を読みましょうか。子どもたちと一緒に絵本を読むご家族の姿がここの踊り場にあるのでしょうね。

家への想いがたくさんあったKさんご夫婦です。ご自分たちのしたい暮らしの実現、ご自分たちの居心地を追求して、忙しい仕事の後に考えた夜はどれほどあったことでしょう。

いつも連絡をいただくのはご主人からでしたが、ご夫婦で話し合いながら家づくりをされているのが文面から伝わりました。

求める暮らしを伝えたうえでの、ご自分たちの要望は、とてもわかりやすいもので、設計者に考える余地がありました。

伝えてくださる要望に余地があるのは、住宅がどうあるといいかを考え、つくり続けている設計者を信頼してくださっている。そのお気持ちが伝わるところでもありました。

あふれる家づくりの情報がある中で、情報に振り回されることなく、何を大切にするのかがブレない家づくりのかたちが、ここにあることを感じています。

設計者と一緒につくった家は、Kさんたちが『暮らしの場』にされたことで、新しい生命を吹き込まれたように思います。

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