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-2023.9.19-
豊岡演劇祭と豊岡の街
行きたいと思っていた豊岡演劇祭に行ってきました。
初めての演劇祭は、会場がいくつもあり公演も多数あるのでどうやってまわったらいいのかと思いつつ、豊岡駅前のフェスティバルセンターへ立ち寄って、初めての街、豊岡を歩くことからスタートしました。
『だいかい文庫』
ふらっと入った、図書館であり本屋さん。
入った正面ズラッと並んだ棚は図書館です。棚を借りた人が本を並べ、本を借りたい人は登録料を払って2週間借りられるそうです。右手の棚は本屋さんで、こちらの本は買うことができます。
図書館は80人ほどの方の棚があるらしいのですが、ひとつひとつ見ると、私の自宅の本棚に並ぶ本が数冊あるなぁと思う棚が2つ、3つありました。そんな本棚は、とても親近感がわくものですね。
棚を借りて本を並べているのは地元の方ばかりじゃなくて、東京や遠くの方も多いらしく、入れ替え本を送ってこられたりするそうです。
本棚それぞれ千差万別、どんな人がこの本棚の借主なんだろうと想像します。
自分の本棚を人に見られると思うと、ちょっと恥ずかしいような気もしますが、人の頭の中が見えるようでとても面白いと思いました。
私なら、どんな本を並べるだろう。
日帰り豊岡だったので、観れた公演は2作品。
1作品目は、言葉のないパントマイムの1人舞台、場所は豊岡稽古堂。
パリ在住パントマイム俳優の奥野衆英さんの舞台『BLANC DE BLANC -白の中の白-』
これほど、言葉のない表現が感情の深いところにまで伝わってくることのおどろきと、1時間の舞台中に、喜び、哀しみ、不安、希望、自分の中にいろんな気持ちがあらわれました。
心がいい意味で偏ることなく大きく動いたのが、とても心地よかったです。
2作品目は、玄武洞で観た舞踏家と音楽家の即興セッション。
岩下徹×梅津和時 即興セッション『みみをすます (谷川俊太郎同名詩より)』
こちらも言葉のない音楽と身体の表現です。
観客も踊り手になってしまう空気が流れ、玄武洞という圧倒される場の力もあわさって、想像力を掻き立てられました。
唯一無二の即興セッションは、観客も舞踊家も演奏家も垣根なく空間とともに創られていく感覚が、とても魅力的でした。
「豊岡演劇祭に来ています」というFB投稿に、知り合いがおすすめを教えてくれて訪れたのが「豊岡劇場」
豊☆劇
なんともノスタルジックな雰囲気が漂う映画館です。元は劇場で、改装して映画館になったようですが、ピアノが映画館の舞台脇に置かれていました。モノクロ無声映画に生ピアノ、そんな上映があったら観に行きたいとワクワクする劇場です。
一年前に豊岡にやってきたという若いスタッフの男性が、熱く劇場のことを説明してくれました。元が劇場ということで音響がいいらしく、11月上映予定の『白鍵と黒鍵の間に』でのジャズ演奏はその良さを楽しんでいただけますということでした。
面白い、楽しい、奥深い、スタッフの方が豊岡や劇場にとても魅力を感じていることが伝わり、あたたかな気持ちになりました。人の「好きな世界」に触れる楽しさでしょうね。
週末はフェスティバルナイトマーケットもあったようです。
いろんな「はじめまして」に出会った豊岡。演劇祭も豊岡の街も、もっと知りたいと思う気持ちがむくむくと湧いくるのはどうしてでしょうね。
アーティストや地域の方々と出会い、食べるものや地域のものと出会い、いつもと違う景色と出逢います。「はじめまして」の世界にふれる、それは自分にとってきっととても楽しいものなんだろうなぁと思います。
うずまく、まくあけ。
また、来年。