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-2023.6.18-
軽井沢安東美術館
5月後半に、画家『藤田嗣治』の作品だけを展示した個人美術館へ行ってきました。
今まで、少女の絵が印象的、その程度しか知らなかった藤田嗣治作品ですが、画家の人生とその作品、そして個人美術館を開設された安東夫妻の思いが込められた「軽井沢安東美術館」は心が満たされる場所でした。
他にも軽井沢に美術館はたくさんありますが、昨年秋にできたこの美術館へ先に行きたいと心が動いたわけは、写真と以下の安東ご夫妻の美術館と作品へ寄せる思いで伝わるでしょうか。
この美術館は皆さまを私たち夫婦の家にお招きするという気持ちで、愛する軽井沢の地に用意した空間です。
人間には、自分の力ではどうにもならないような運命、あるいは、人間の性である人間同士の嫉妬や欲望に翻弄されて道に迷うことがあります。
私たち夫婦は、そんな悩みや苦しみを、自宅でフジタの猫や少女たちと語らいながら乗り越えてきました。
エコールド・パリの時代に名声を博したフジタもまた、愛する人との別れ、二度の戦争、一部の人々の嫉妬など数々の予期せぬ事態に翻弄されました。晩年フジタが描いた可憐な猫や少女たち、そして気高い聖母子像の数々は、それらの困難を乗り越えてフランスに終の棲家を構えたフジタが到達した桃源郷で描かれたものであり、それゆえに私たちに共感を与えてくれるのではないでしょうか。
この美術館は、そんな桃源郷に至るまでのフジタの歩みをゆっくりとお楽しみいただけるように工夫したつもりです。
これから皆様がいらっしゃる私たち夫婦の家が、皆さまにとって、それぞれに心の安寧を得て帰って頂ける場になれば幸いです。
併設のHARIO CAFEとサロンもあり、時間がゆっくり流れます。
カフェタイムも含めて半日、一人ゆっくり美術館が創る世界に浸る時間でした。
軽井沢へ行かれることがあればぜひ訪れてみてください。