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-2023.5.21-
ちょっとだけ考えたっていいじゃないですか。
昨晩、ロームシアター京都へ演劇を観に行きました。
観ている間も、観終わった後も、そして今日も頭の中でぐるぐると、考えることをさせてもらっています。
『この作品で沖縄人だけではなく、すべての日本人に問いかけたつもりです。今の日本に暮らす人々に足りないこと、気付くべきこと。平和で安全に暮らしている毎日が、沖縄だけではなく、何処かの場所や人や環境が犠牲になっていること、別にそれらすべてを改善して正しい道をなんて思っちゃいません。でもそれを知って、その犠牲や献身の上に成り立っていることをちょっとだけ考えたっていいじゃないですか。』宇和学治/劇作家
司会者、有識者、復帰論者、独立論者、本土人、文化人、主婦、老婆、若者。
それぞれの想いや意見が、本土復帰当時と、現代に行ったり来たりしながら繰り広げられます。
9人それぞれの言葉に心が動きます。
自分の経験したことがないことは、そうなんだなぁと知ることができたという感じです。
経験から想像できること、中でも主婦、若者、文化人の言葉に個人的には共感することが多かったです。
印象的だったのは、老婆の「戦さはみとうない」の一言。
こうして書くと沖縄が抱える重いテーマを扱う重い演劇のように感じるかもしれませんが、そうは感じませんでした。
観終わった後にずっしり重い感覚はなく、知ることができてよかったという思いと、自分ならどう考える?という機会になりました。
考え迷い、ハッと気づき、場面の区切りの戦闘機の音が身体に響きながらも、うちなーんちゅ(沖縄人)の明るさと笑いのあるやりとりに、沖縄をあらためて感じた気がします。
演劇って楽しいだけのエンタメではないところに魅力があるのでしょうね。
「あー楽しかった。」で、終わらない。
演劇を観るようになってまだまだほんの数年ですが、もっと前から観ていたらよかったと思います。
子どもたちが育つ時期に、一緒に連れてきたらよかったと思います。