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-2023.8.1-
小田原文化財団 江之浦測候所
7月2日、娘を羽田空港まで迎えに行った帰りに『小田原文化財団 江之浦測候所』へ行ってきました。
現代美術作家の杉本博司さん設計、自然を借景に、日本の建築、庭を感じることができます。
とても広い敷地で気温が高かったせいもあり後半は少しバテ気味でしたが、たっぷり時間をとっての見学をおすすめします。事前予約制の午前、午後入替制での見学です。
以下、江之浦測候所 建築概要より
概説
アートは人類の精神史上において、その時代時代の人間の意識の最先端を提示し続けてきた。
アートは先ず人間の意識の誕生をその洞窟壁画で祝福した。
やがてアートは宗教に神の姿を啓示し、王達にはその権威の象徴を装飾した。
今、時代は成長の臨界点に至り、アートはその表現すべき対象を見失ってしまった。私達に出来る事、それはもう一度人類意識の発生現場に立ち戻って、意識のよってたつ由来を反芻してみる事ではないだろうか。
小田原文化財団「江之浦測候所」はそのような意識のもとに設計された。
悠久の昔、古代人が意識を持ってまずした事は、天空のうちにある自身の場を確認する作業であった。そしてそれがアートの起源でもあった。
新たなる命が再生される冬至、重要な折り返し点の夏至、通過点である春分と秋分。天空を測候する事にもう一度立ち戻ってみる、そこにこそかすかな未来へと通ずる糸口が開いているように私は思う。
建築と作庭
江之浦測候所の各施設は、美術品鑑賞の為のギャラリー棟、石舞台、光学硝子舞台、茶室、庭園、門、待合棟などから構成される。また財団の各建築物は、我が国の建築様式、及び工法の、各時代の特徴を取り入れてそれを再現し、日本建築史を通観するものとして機能する。よって現在では継承が困難になりつつある伝統工法をここに再現し、将来に伝える使命を、この建築群は有する。
建築群に使用される素材は、近隣で得られる素材を中心に使用するものとし、擁壁、造園等に使用される石材は根府川石、小松石等を使用する。造園の為の景石には、平成21年度の広域農道整備事業に伴い、近隣の早川石丁場群跡から出土した江戸城石垣用の原石を使用する。随所には、古代から近代までの建築遺構から収集された貴重な考古遺産が配されている
時間を忘れて景色を眺め、地球、自然、そこに存在している自分を感じる、そんな時間が大切なんでしょうね。冬至、夏至、春分、秋分、1年に4回めぐってくる節目の日に見学してみたいです。