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-2025.2.17-
30年以上、日本に暮らすのはなぜだろう
昨年から参加している「みどりのテーブル」は、2026年に京都丹波エリア(亀岡市・南丹市・京丹波町)で開催される緑化フェアにむけて、「みどり」について考えようという「かめおか霧の芸術祭」のプログラムです。

第7回目『みんなの伝芸』、ゲストはトム・ヴィンセントさん。全国の地方創生や地域づくり、地域プロジェクトに携わってこられた方です。
現在、滋賀県日野町の築240年の旧近江商人邸宅に家族で移住され9年目を迎え、地域の祭りや活動にも積極的に参加され、地域の方々と一緒にNPOを立ち上げるまでになりました。その中で肌で感じてきた「伝統」と「文化」。近江商人の三方良しの考え方や祭りが生み出す地域の絆と結束。暮らしを豊かにし、地域を豊かにしていく重要なキーが地域の暮らしの中にある「伝統」「文化」「祭り」に見え隠れしていると語ります。
かめおか霧の芸術祭、「みどりのテーブル|ゲスト:トム・ヴィンセント『みんなの伝芸』」https://kameoka-kiri.jp/calender/20250201/

聞き手は、かめおか霧の芸術祭 プロジェクトマネージャーの持田博行さん。持田さんの最初の質問です。
「日本で暮らして30年以上、日本のなにに惹かれましたか?」
20代の時に彼女に連れられはじめて行った新潟の端っこ。田舎に姪っ子が外国人の彼氏を連れてくるというので地域の人たち大騒ぎで、道に机をだして、座布団敷いて、子どもも大人もみんな集まって食べて飲んでがはじまったらしいです。
なにも理解できない日本語が飛び交う中、とにかく新潟の美味しいお酒をおっちゃん達が飲め飲めとすすめてくれ、みんな酔うなか、1人のおっちゃんが、「オープントイレ〜」と立ち上がる。すると、わしもわしもと、連れションのおっちゃんたちと一緒に近くの土手で立ちションをした。
言葉はわからないはずなのに、会話ができていた。そのとき感じた人間くささ、人間味あふれる感じ。それがずっとあるんだろうなぁ。トムさんはそれを『情(じょう)』と表現されていました。
もちろん年月の中で積み重ねられてきたことは山ほどあるでしょうし、理由は一つでは決してないのでしょうが、30年以上日本に暮らす理由としてトムさんは、日本で感じた「人間くささ」や「情」という言葉で語られました。
その後、東京でバリバリ働き、そしてまた地方へと移動するトムさんの変遷もとても興味がつきないお話でした。今は滋賀県日野町で、NPO法人日野まちつなぐ研究所の理事長をされています。日野町以外に住んでいる人の日野町ファンクラブのサイトもあるようです。「ほぼ日野町民の会」とても可愛らしいです。
トムさんのお話しの中で何度も近江商人(日野町は滋賀県)という言葉がでましたが、亀岡に生まれた石田梅岩の思想が近江商人につながるそうなのです。知らなかったなぁと思うのと、そもそも石田梅岩をよく知らないなと。「道の駅ガレリア亀岡」に石田梅岩の展示がされています。近くにあるのに見えていないことが、こうして見えた時、このきっかけは大事にしたいです。見に行きたいこと、知りたいことがまた一つ。

終わった後も話しはつきず。土曜日の朝9時半、美味しい台湾粥を食べながら「それぞれのみどりについて」お話を聞く豊かないい時間です。
これまで4回参加させていただき、次回が最終回、2月23日(日) 『民衆の芸術を芋づる』です。よかったらご一緒しませんか。