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-2023.10.16-
環境と循環と表現と。城跡芸術展2023
亀岡の城跡芸術展2023が10月14日からスタートしたようです。
初日14日はマルシェも同時開催で、クラフト作家であり画家でもある知り合いも出展されていたので行ってきました。
昨年からはじまった城跡芸術展ですが、場所は亀岡の丹波亀山城跡、私たちが普段「大本さん」と呼んでいる大本教の本部です。
普段、あまり行くことのない場所ではあるのですが、時々大本さんの一般公開の季節の催しに参加させてもらうことがあります。
ここには、日本の自然と共にある暮らしやうつろいを情緒豊かに感じられる行事、伝統芸能の伝承、奥深い受け継がれているものが多々あると思いますが、外も内も、隅々まで掃除や気配りがされている広い敷地の内外で、彫刻、絵画、陶芸、現代アート、パフォーマンスを楽しめるのは、なんとも贅沢でした。
『美術館で見る作品とは全く違った顔をしている作品は亀山城址の自然と一体化し、野心やしがらみから解放されたかのような清々しさを漂わせていた。あれからぼくの作品の見方が変わったように思う。』
これは、亀岡霧の芸術祭の総合プロデューサー、松井利夫さんの今回の芸術展の冒頭の言葉です。
どちらかというと一人のアーティストの作品を、人物も含めて深く感じていくのが好きなこともあり、たくさんのアーティストの作品を次々に観るのが苦手ですが、ここでは、その苦手な感じがしませんでした。美術館で見るのと全く違うのです。
環境が感覚や感情に与える影響でしょうね。
周囲の環境の影響を感じさせずに作品をシンプルに感じるために美術館は考えられて作られているのでしょうが、それとは逆の見方ができるのも魅力だと思います。
作品のみならず建物やお庭も楽しめ、秋を楽しむいい時間が過ごせそうな芸術展です。この日、午後から行ったらマルシェと屋内展示でタイムアウト。お庭の展示は期間内にもう一度行きたいなと思っています。
木工工芸作家さんのビー玉をころがす作品の音と動きに目がとまりました。
藍染はオシャレでステキでした。
気になった絵を見つけました。
ところがその絵、テルさんは「なんかおどろおどろしいなぁ」と感じたようで、人それぞれの感じ方が面白いですね。
ワークショップ「キリノマチ」
土地に見立てた木板の上に、様々なカタチの木片を組合わせて、架空の街「キリノマチ」をつくります。
亀岡は、ちょうど今頃から霧の街になることが多くなります。朝、雲海の下に暮らしていると、霧の街の良さをあまり感じることがありませんが、こうして自分で作るキリノマチを体験すると見方が変わるかもしれませんね。
同時開催のマルシェは、モノ・ヒト・食の「循環」がコンセプトです。クラフト、野菜、スィーツ、ワイン、見るのも食べるのもお話しお聞きするのも楽しかったです。
秋にぴったりなイアリング(どれにしようか楽しく迷いました)、ヘチマ(チャンプルーやお味噌汁の具材として食べるんですって)、亀岡産の葡萄を使ったロゼワイン(とてもフレッシュ!でした)、台湾のスィーツの豆花(とうふぁ)。
マルシェは14日のみですが、今週末はお茶席体験や能楽体験、植物園を歩くたびなど、芸術の秋を自然と共に楽しめそうです。
自然を感じながら作品を観ることから、人の感覚や感情は、環境から影響を大きく受けることをあらためて思います。五感や直感など人が本来持っているであろう感覚がしっかりはたらき、感情豊かに、自分がよりよい状態にいられる環境を大事にしたいと思います。
それぞれが、どんな環境から影響を受け、どんな状態でいられるといいでしょうね。自分のよりよい状態を知り、そしてその環境を創造することが、自分や家族やつながりのある人を大事にすることへとつながりますように。
2023年10月14日(土)〜25日(水)
丹波亀山城跡(大本本部)
午前10時〜午後5時
観覧料:無料