いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

category

-2024.1.15-

家の【耐震評価点】知っていますか?

能登半島地震で犠牲になられた方々に謹んでお悔みを申し上げるとともに、被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、現地での救済と復旧・復興支援等の活動にご尽力されている方々に深く敬意を表します。皆様の安全と被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

発生時、僕たちは福井県若狭町の奥さんの実家に居ました。震度は4だったと思います。幸い高齢の義理の母と僕たち夫婦が一緒にいたタイミングで被害や怪我無く無事でした。地震は長く続き古い建物は不気味に揺れていていましたが壊れる恐れがなさそうという感覚があったのでその場にとどまっていました。

振り返ると、留まっている時にもっと大きな揺れがあった場合に避難できていなかったかもと思うととっさに避難ができる態勢を取れていなかったことが反省として挙げられます。

留まった理由としては震度5で体感的に阪神淡路で体験した揺れより小さく感じた事、建物の揺れがEディフェンス(実物建物の加震実験映像)で見たほどでもなかった事でここにいても大丈夫と直観的に思えたのです。もう一つの理由は耐震と建物の被害の様子がわかっていたからという事です。

下の表は耐震改修の説明時に使う表です。

制作監修 名古屋工業大学 建築デザイン工学科 井戸田研究室 寺田研究室/名古屋大学 建築学コース 森研究室/えびす建築研究室

既存建物の場合は耐震診断を行うと評点がわかります。昭和56年以前の木造2階建て住宅の場合は0.7以下になるケースが100%です(FORMAの亀岡市での実績)。耐震改修チャートを見ると 震度5弱で0.7の場合 小破被害となっており、震源付近は震度7だったので0.7以下の建物は倒壊となっています。

耐震診断は家の地震に対する強さを知る指標にもなります。

震度によってどのような状況になるかを事前に知っておくことで備えもできますし、起こった時の避難時にどのようなすると命を守れるのかを考えておくことにもつながります。既存の建物の場合は、建築された時期(築年数)によって耐震基準が定められている法律が大きな地震のたびに基準が変わっているので、建築時期がわかれば大まかには想定は出来ます。

構造計算(軸組計算、N値計算、許容応力度計算)を行っていれば計算書を見れば建物の強さがわかります。強さがわかれば震度と壊れる程度の予想がつきます。

新築の耐震についてFORMAでは耐震等級3以上となる設計としています。耐震等級3とすることは2016年に起こった熊本地震の時、震度7以上が2度あったことで被害が大きくなったのですが、その後の国交省住宅局の「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」の報告資料(P5)から耐震等級3以上の87.5%は無被害だったこと(小破は12.5% 復旧可能)から繰り返し地震に対応する性能が必要と考えたからです。

FORMAで長期優良住宅認定の場合は耐震等級3が確保されていると考えていただいて問題ありません。長期優良住宅の認定は取っていない場合でも、構造計算を見ていただければ耐震等級の確認が出来ると思います。耐震等級3とするには計画上の難易度が上がるので、プランを提案し概ね方向性が決まった段階で構造設計者と構造の方針を確認し提案プランで等級3以上の耐震性能が確保できるかを検証します。最近ではプランと耐震性能を両立させるための対応方法が蓄積しており、広がりのある空間と耐震性の両立する設計が出来ています。


大切な家族の命を守る為に起こる前に出来ること。

・家の耐震性能を知っておく事。

・耐震性能が倒壊の可能性がある場合は

 →耐震改修を行い耐震評点を可能な限り大きくする事(古い建物でも耐震改修は可能です。屋根を軽く、壁の補強、制振ダンパー設置等 様々な方法の提案が可能です)

 →寝室や常にいる室を壊れないように耐震シエルター化する(大掛かりな事から簡易なアイデアまで様々)

 →地震発生時にどこに避難するかを家族で話し合って決めておく(どこが安全かを話合い、とっさに動けるように実際にやってみる)


昭和56年以前の住宅は、耐震診断制度を利用して耐震評点を知ることも可能です。お住まいの自治体で耐震診断について補助制度がある場合があります。

亀岡市木造住宅耐震化促進事業 耐震診断士派遣事業については、令和5年度の受付は終了しましたが 令和6年度は4月から受け付けが始まると思われます。

https://www.city.kameoka.kyoto.jp/soshiki/36/3903.html

自己診断コンテンツ

誰でもできるわが家の耐震診断

地震に対してどれだけ心配があるかについて、簡単な設問に答えることで自己診断ができます。

耐震評点や耐震改修をもっと知りたいという方はFORMAにお問い合わせください。

【ご相談はこちらからどうぞ】