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-2021.7.28-
施主は孤独 2
しばらくして 図面を持って井元さんが来た。
早速、今迄の経緯を聴きつつ土地の情報をgooglemap ストリートビューなどで確かめたところ 道路の位置が違うような気がした。
?が頭に浮かぶ 理解できない・・・
「方位が間違っているような気がしますが」
「要望聞かれてこんな感じと敷地に適当に配置したらしいです」
適当か・・・なんか嫌な予感。
「ゲニウス・ロキに耳を傾けろ」 著名な建築家は言いました。
地霊の言葉を聴く努力をする。 その土地から語り掛けられられる事を感じそれを踏まえて建築を思考する。
その場の雰囲気、土地柄、その場に積もる想いを受け取り・・・
そんなものを感じつつ建築を考える・・・
そんな大げさなものでなくてもいい。
せめて道路の位置は間違えないでほしい。
地霊の居場所さえわからない所業です。
井元さんはその事よりもその計画案自体にしっくり来ていないという事について理由をわかりやすく伝えてくれました。
仕事柄、言葉の選択がほんと適格でした。
そしてこの時点で、その計画案を出してきた会社に依頼するつもりだという事。
断熱性能を重視したい。コストは少しでも下をげたい。耐震等級は3以上に。再生エネルギーを検討したい。
住宅業界において至近の問題である温暖化対策について自分事として捉えておられる井元さんの知識に感心しながらプランを眺めていると誰にでも受け入れられる計画に要望が過不足なく入ったプランが見て取れました。
所謂、要望をいかに取り入れるかに力点をおいた案です。
それで満足できる人ならそれでよい。
でも井元さんはどうもしっくりこない様子です。
バウハウス好きの人は暮らしを、人生を楽しむ覚悟のある人です。
そんな人の伴走者でありたいと思います。
そこで提案したのは
「赤ペン先生やりましょか?」
さて井元さんの次なる行動は?