京都市上京区
1階玄関土間。1階は全てモルタル床。ゆるやかな曲線で区切ったカーテン内は収納。モルタル仕上げの階段下スペースも収納。庭でBBQをすればダイニングスペースとなり、冬はスキーのチューニングスペースとなる。多用途な空間があることで窮屈でない家となる。
ファサード。美観地区であるため、所謂、町家型式のデザインに誘導される。町家の形態を踏襲しながら、開口部は障子の格子、軒裏の垂木は鉄骨のCT鋼をテーパーにカットして化粧垂木のように表現。杉板の塀を最前面に作り、建物を後退させることで圧迫感を無くし、深い陰影を作り出している。
outline
構造:鉄筋造3階建て /
敷地面積:57.97 ㎡ /
延べ面積:90.20 ㎡ /
家族構成:夫婦、子供2人 /
竣工:竣工:2013年3月
explain
DomaineT は京都御所の北、交通至便な場所に築30数年経つ家屋の建て替えです。 ご依頼時は飛騨、その後関東に引越され、遠距離での打合せとなりご相談から1年半後の完成です。 お互いのイメージや思いを共有することに時間をかけました。 好みのテイストや素材、又はその組み合わせ、背景について様々なお話しを伺い、方向性を決めた後に計画を行いました。 当初は木造3階建てのプランでしたが、自由な平面計画が出来るように鉄骨造に変更となりました。 この変更によるコストUPをいかに抑えるかについても、計画の大きなポイントとなっています。 外観は美観地区規制のため京都の町家の意匠を踏襲する必要が有ります。 又、準防火地域のため開口部、屋根、軒裏、垂木は金属やモルタル素材に置き換え構成しています。 一方、内観は工場やワイン醸造所のような無骨なつくりがいいというイメージの共有ができていたので、鉄骨の構造部材(H鋼やブレース、胴縁)をあえて見せる仕上げとし白の塗装を施しています。 空間構成はひとつながりのワンルームで間仕切りは最小限。 ワンフロア10坪足らずの空間を圧迫感を無くし緩やかに仕切る為カーテンを使っています。 これら、内装をそぎ落とす事で工事費を抑える事につながっていますが、断熱性能については外断熱で等級4以上の性能を持たせています。 暮らしの要素である「居・食・育」を多様に楽しめる場(用途を限定しない場)を立体的に振り分けることで、クライアントの思い描くライフスタイルを実現できる家となりました。