建築現場日記
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-2017.9.4-

振り返る日記 5 うちんく 5 

今回の振り返る日記で取り上げるのは 「うちんく」 の天井部分の納まり、船底天井というやつです。

登り梁の上に野地板を張り防水、通気胴縁を載せて更に野地板を張り防水後、屋根を葺きます。

屋根の下地が二重となり通気も取れるやり方です。

登り梁の厚みの部分に断熱材を充填して、天井構造用合板を張り上げています。

 

 

https://www.instagram.com/p/BPwrn0pFQTF/?taken-by=formankns

良かった点
・屋根に囲まれているという心理的な安心感が居住感に繋がっている。

・間仕切りを途中で止めた事で、屋根の架構が際立つものとなった。

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課題としては

・断熱のヒートブリッジ部分が若干増えた。

・照明器具がダウンライトを設定したので勾配天井用の機種が限られたものとなった。

・構造用合板の継ぎ目が少々目立つ。

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今後の展開

・3尺ピッチとした登り梁の間隔をもう少し小さくし梁巾、梁成を抑える事でヒートブリッジを少なく出来る寸法を模索する。

・外部の野地板上に外張り断熱(付加断熱)しヒートブリッジを抑える納まりの展開を考える。

・構造用合板貼る前に仮並べにて模様の目立たない者同士を組み合わせて継ぎ目を目立たなくする。

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今回は米松の梁材と針葉樹の構造用合板を仕上げとしたが、樹種の選定と、ラワンベニアにオイルステイン等で調色するのもいいかもしれない。

今回は個室群の中での船底天井採用でしたが、LDK等の大きな空間の方がより効果がありますね。

ただ、階高は少し抑え気味にして室容積を少なくし温熱付加を抑え、身体感覚に合わせた高さにする必要が有ると思います。

ご参考まで。

-2017.8.11-

振り返り日記 4 うちんく4

コーナー部分の開口の展開。
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出隅部分は耐力壁とする方が構造的には簡単に丈夫に出来ますがこの建物のように出隅と外部のつながりを重視する時、このように柱で鉛直荷重を受け、その他の外壁部分に耐震を受け持たせ耐力壁を増やす事でこのような開口部を取ることが出来ます。
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今回はシナ合板張りなので額縁を廻す納まりですが、コーナーの額縁と額縁が突き付けとなる部分の納まりを工夫して、額縁が柱に刺さっていくような見え方に納めてみました。
木製建具枠も木製として、水切りはガルバリウムで加工しています。
ガラス戸はLOW-Eの複層ガラス(12A)と格子網戸の二枚建て、雨戸は不要との事です。
日射取得軽減の為に庇をぐるりと廻し庇出は900近く取っていて、夏至付近の直射はほぼ遮れる様に設計しています。又劣化の軽減の為に庇を深く取る事が多いです。

木製建具。 LOW_Eガラス入りの框戸と網戸が張られた格子戸を全開放すると縁側を介して庭と一体となります。 天気の良い日は日向ぼっこ。 庭いじりの休憩。 子供の遊び場。 住まい手の発想で色々な使い方が広がります。 #木製建具 #木製網戸 #木製格子 #庭いじり #縁側 #オーク #シナ合板 #LOW-Eガラス #家づくり #マイホーム計画
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良かった点
・木製建具の気密性が少しバージョンナップしている。

・フルオープン出来るの縁側と庭とのつながりが良い。

・隣家間の木塀と外壁がシンプルなので抽象化されたような印象を受ける。

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課題としては

・縁側と庭とのレベル差をもう少し低くしたい。

・柱の存在感をもう少し小さく、見付も小さいレベルに納めたい。

・木製建具全開放出来る建具なのでエアコンのドレイン、室外機の位置に注意が必要。

・クライアントの要望で付けなかった雨戸を付けたかった。(断熱、防音、日射コントロール等)

 

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今後の展開

・コーナーの柱さえ取り除いたコーナー建具の納まり。

・庇の出をもう少し深く取り、採光が少々少なくなる分、水盤等に反射した光が内部にバウンドして差し込む、

光の再利用。

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外部との繋がりの部分をどういう風に扱い、どのような仕切り方をするかで、情感に訴えかける濃度が変ると思います。

日本建築はその辺りがすごく軽やかなつながりで外部を内部に、内部に外部を取り込んでいました。

そのような建築に惹かれます。

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-2017.7.30-

振り返り日記 2 うちんく2

濡れ縁という中間領域。
雨に濡れるから濡れ縁と呼ばれているのですが、出来れば雨の時でも濡れたくないという気持ちがあるので庇を深く出してカバーしています。
吹降りの時はしょうがないけれど、出来るだけ長い時間使える場だといいと思います。
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敷地の隅に植えられたのは故郷を思い出すゆかりのある木。(トサミヅキ)
余白にはこれから家庭菜園が増殖していく予定。
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菜園の手入れや収穫の時にこの濡れ縁が有効に働いてくれる場所になると思います。
というか、既に洗濯物干し、子供の遊び場等、生活の中で欠かせない場所になっています。

 


 

縁側、屋根の奥行があるので雨や陽射しを和らげることが出来ます。 庭と居間との接点になるデッキは外にも内にも豊かなアクティビティを提供してくれます。 玄関土間からの景色。 #縁側 #デッキ #庭 #トサミズキ #木製建具 #木製網戸 #庇 #家づくり #マイホーム計画 #FORMA建築研究室 #人見建築
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良かった点

・二方を縁にし、コーナーに窓を配した事で内部と外部の境目があいまいになり、広がりのある空間になった。

・船のデッキのようでもある。

・縁と土部分のバランスが設計段階で狭いかなと感じていたが手ごろな広さとなった。(縁を狭くしなくてよかった)

問題点

・使勝手上は問題ないが、縁の高さをもう少し地面と近づけるとより土との近さが際立ち、新たな機能が生まれそう。

今後の展開

・ケースによっては縁と庇の奥行を広く取ると段を設けて土との繋がりをうまくコントロール出来る。

・建具の部分に柱を無くす建具納まりにして、庇の角に柱を立てると、更に内外の境界があいまいになる空間が出来そうである。

 

-2017.7.29-

振り返り日記 1 うちんく1

撮影も設計段階からある程度イメージしていますがこの写真は10mmの高角レンズでも取れなかったのでトイレの奥の壁に張りついて撮ったものです。(これは想定外)

なので、自己満足的に好きな写真です。

毎日クライアントもこのアングルからの景色を見る事になるのだな~トイレから出た時に(笑)

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そして、こんな事を考えながら設計していました。


 

鉄で作った階段。鉄板を厚くして見付けの存在を薄く見える様に作る事で空間に馴染むスケールに調整しています。 無垢の木仕上げと鉄とのコントラストがうまく融合しました。 玄関土間からの景色。 #階段 #鉄 #スチール #黒皮 #無垢 #木 #木 #オーク #家づくり #マイホーム計画
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薄くしたのはもう一つ理由が有りました。

うちんくはLDKというより少し広めのDKで寛ぐという設定だったのですが、友人や家族たちが来た時に広く使いたいよねという要望とまでは行かない空気が漂っていました。

その解決策としてホールそして階段も含めて取り込むという事にしました。

なので含めた部分を一体として設計(冬場は仕切れます)して階段の存在感を軽い物にしたかった。

でも色は黒というクライアントのイメージが固まっていたので出来る限り細いササラ桁とした訳です。

方法で言うともっと細い部材で階段を作る事は可能なのですが、そこはクライアントの手持ちの家具や共有しているイメージの親和性を大事にしてこのカタチに落ち着きました。

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良かった点としては。

・無骨な鉄材だけどこの空間に合う軽さが出せた事。

・設計図を基に製作者と直に話が出来たので、思い通りの仕上がりとなった事。

・デザインとして意識していなかったが子供にも優しい手摺(中桟が手摺となる)

今後の課題としては。

・段板をフローリングのオーク材にすればなお良かった(予算の関係も有るのですが)

・仕上げ段階に設置になった事。(工事途中で仮設として使える納まりだと、作業性が上がる?)

今後の展開としては。

・小さな子供さんのおられる家には中桟が手摺になるようなデザインとする。(網は手摺にならない)

・工事段階の早い時期に設置できるように施工図承認、現場寸法の確定を早める。

-2017.6.23-

@うちんく 暮らしの写真 撮影日

暮らされて約半年。

新緑のこの季節に「うちんく」Mさんちの撮影をさせて頂く事になりました。

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ホームページでの事例紹介が、新しいお客様にも住まいのこと暮らしのことをお伝えできる場所になります。

暮らし始められてからのお忙しい日々のあいまにご協力頂く事は本当にありがたく感謝の気持ちでいっぱいになります。

 

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撮影は伊藤さん。

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コケた訳ではありません!(笑)

アングルを探究中なのです。

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テンションが高めだったAくんでしたが、終盤にはお父さんに、「いわむらかずおの14匹の絵本」を読んでもらって聞いている時のまなざしが素敵でした。

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住まいはクライアントの趣味や暮らしぶりがうまくマッチしていてよい空気が流れていました。

庭の畑化計画も少しづつ進行していて、ネギと大葉が育っていました。

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これからも京都のうちんく 暮らしが楽しみです。

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お休みに家族の時間をお借りするのでありがたいやら申し訳ないという気持ちが入り混じりますが、ご協力頂き本当にありがとうございました。

 

 

 

 

-2016.10.22-

@うちんく 引き渡し

引渡の朝。
秋晴れのいい天気に恵まれました。
鍵を開けるのも最後。
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これからはめでたくクライアントの家となります。
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銀行での手続きを終えられクライアントご夫婦に取り扱い説明を行います。

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外構の説明。
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気の手入れや日々の水やり、手の加え方、庭との付き合い方。
丁寧な説明で聞き入ってしましました。
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家と庭と地域が一体となり重なる事で、風景が出来て行きます。
今回、敷地に余白を取って植栽や畑が出来る様に計画しました。

日々の暮らしに寄り添う様に自然が有る事で季節の変化を感じたり朝と夕方の景色の違いが際立つようにも感じられる関係が作れたのではないかと思います。
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この考えは以前からあるものですが、生活の傍らに自然があるという事の豊かさがあると考えられているクライアントにぴったりのテーマだという事で共働きで子育て中の大変忙しい時期にも関わらず実現しました。
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庭も家も作り込み過ぎず、クライアントの手の入る余地を残していたり、畑スペースと物置小屋はこれから必要に応じて作る場所が残されています。
そのスペースと家を繋ぐ間には、縁側が有り上部には深い庇が回されています。
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何処からでも庭を身近に感じられるようにしています。

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新しくここから家族の生活が始まるに際して、とても心地よい空気が家じゅうに溢れていたように思います。
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今日は平日で保育園に行っているA君と見学会の時に手を繋いで階段を登っている時に
「ありがとう!」
「ありがとう!」
と照れくさそうに真っ直ぐな眼差しで言ってくれた事がなんともうれしい事でした。
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これから引っ越しがはじまりクライアントの色にどんどん染まっていくと思いますがそれも非常に楽しみです。

「うちんく」に関わって頂いた、全ての皆様ありがとうございました。
そして、11カ月に渡りお付き合いいただいたクライアントご家族、ありがとうございました。
これからも末永くお付合いよろしくお願いいたします。
(ご主人さま落ち着かれたらMTBの山ライド是非ご一緒しましょうね!)

-2016.10.17-

@うちんく 今週の現場

外構工事の担当はeniの堀江さん。
今回の土間もクライアントの思いと堀江さんの発想がうまくひっかかりが出来て特色のあるものとなっています。

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ゆるい坂を登った先が「うちんく」坂の延長上に自然と意識が木々に向かうような構成がなんとも堀江さんらしい。(意図と違ったらすみません)

作庭中も近隣の方たちが「いいね!」とお声をかけて下さるそうです。

家にとっても近隣にとっても良い空間が出来る事がうれしいことです。

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完成まであと少し、よろしくお願いいたします。

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-2016.10.10-

@うちんく (未)完成見学会 

雨が心配されていましたが、雨は夜半に止み、好天傾向です。
そんな中、見学会を開催しました。
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この二週間は、本当によく雨が降りました。おかげで見学会には外構や植栽も合わせて見て頂けるところが、残念ながら未完成の見学会となりました。(完成後の写真までしばしお待ち下さい)
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当日は、ご相談中の方、プレゼンをご依頼頂いた方、初めてお会いする方等々お越しいただき誠にありがとうございました。

このような機会に快くご協力いただき、差し入れまで頂いたクライアントご家族にも感謝いたします。

「うちんく」ではクライアントの求めておられる暮らしや生活のシーンを思い描きながら形になった家です。
シンプルで小さな家ですが使い勝手がよく、気持ちの良い居場所がたくさん出来たように思います。
家族が思い思いの場所で好きな事をしながら過ごす事、敷地の余白での畑で作られる野菜が食卓に並ぶ日もすごく楽しみなのです。

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