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-2016.10.2-
鈴木大拙館
このところ金沢に縁がありこの日も弾丸ツアーの空いた時間を利用して鈴木大拙館へ。
鈴木大拙は日本の禅文化を世界へ知らしめた仏教学者でこの館は鈴木大拙への理解を深め、思索の場とすることを目的に作られました。
設計は谷口吉生氏、父である谷口吉郎氏も金沢出身という事で以前見学した玉川図書館は父子の共作と言われています。
MOMA(ニューヨーク近代美術館)、豊田美術館、京都博物館 平成知新館等を設計した建築家でこの館は2011年10月18日に開設した。尚開設日は大拙の生誕日(旧暦)との事
建物は小規模でシンプルな動線玄関から学習、展示、思索の場が内廊下と外廊下で繋がり外廊下と思索の場が水鏡の庭が取り巻いています。
先ずは玄関からの眺め
内廊下はパースの利いた重心の低い間接照明が期待感を高めます。
展示空間と学習空間は撮影出来ません。
外廊下手前からの眺めは水鏡の庭を挟んで思索の場と対峙する様がドラマティックです。
時折、水鏡の庭から湧き出る空気により水面に円が描き出されます。これも禅を表すインスタレーションでしょうか。
思索の間では畳が敷かれたベンチがあり思い思いの方向に座り外を眺める事が出来ます。
蔵のようなシンプルな形ですが内部は吹き抜けており、天井は高く、天窓から光りが拡散して広がっていました。
谷口建築と言えば素材の取合いを目地で納めるところ所謂、目地フェチ。
御影石のスクリーン。割肌の厚さが不均一な素材を目地で納める。
思索の建物の外壁面も漆喰の中に目地がとられ、目地が漆喰の量感を分節しデザインされています。
ちらっとですが軒裏も当然目地有仕上げとなっています。
目地ではないですが、落下防止の低い手摺。これも見付方向の厚みがコントロールされているのか全体の中で違和感のない寸法になっいるのがわかります。
建物正面の格子のピッチも相当考えられた物と見ましたが興奮のあまり寸法を計るのを忘れてしまいました。(笑)