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-2013.9.2-
待庵
2007/11/23千利休の唯一の遺構、待庵を訪れた。
千利休独特の構想で建てられ、現存する茶室としては最古のものである。二畳の茶室のわりには広く見せるためのしつらえがしてあるとのこと。
私たちが設計する際に用いる抽象化や境界を曖昧にして、広さを獲得する手法がこの時代(1582年頃)に使われていた事に正直驚いた。
妙喜庵側の庭から延段の石組み、手水鉢の石組み、飛び石の打ち方もおそらく利休が自ら歩いた足型に据えられたのではないかと考えてしまう。
ある人は芸術家千利休と天下人秀吉の対決の場であったと言うが、今回は内部には入れずニジリ口や下地窓から覗き込む事しか出来ず、その感覚はうかがい知れなかった。
しかし、ピンと張り詰めた様な静謐さが伝わってきた。内部の光の入り方や、そこから生まれる陰影がそうした空気を創っていると感じた。
現在計画中の建物にも訪れる人に家人の思いが伝わる仕掛けのようなものが出来ないか思いを巡らせている