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-2013.8.21-
建築見学 大阪市環境局舞洲工場 フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー 外観 デザイン
フンデルトヴァッサーといえば画家のイメージですが、この人は建築も創っています。
建築の教育は受けていないようですが、環境共生の哲学を持つコンセプチュアルアーキテクトです。
(エンジニアリングに関する部分は協働者がいたようです)
「植物と共に生きてこそ人間は、よりよい生活を送ることができる」
「建築する時には自然を壊した分、樹木をたくさん植えましょう」
今、読んでいる「風景の中の環境哲学」桑子敏雄氏 の環境や景観の問題の捉え方の一節
「人は癒しを必要としている」という前に、「人間に痛めつけられた自然こそ癒しを必要としているというべきだ」とオーバーラップした。
人間が癒しを必要としているとしても、人間を傷つけてきたのは人間自身である。
また、人間によって痛めつけられた自然を環境としなければならない人間にとって、傷ついた自然からしっぺ返しを受けても、自業自得であって、
私たちが問うべきであるのは自然を傷つけた人間自身の行為の意味であり責任である。
この問いに答える前に人間の癒しなどは有りえない。
を思い出しました。
自然界で生きている多くの種の中の一つである人間というフラットな視座で見た場合
建築を建てる事や安全、快適性、利便性を求める事は人間の都合。
そのために犠牲になっている自然がたくさん有ること。
心地良い場には必ず、それを取巻く環境が有ります。
その環境は自然で有ることが多い事に気付きます。
設計をする場合、外部環境や文脈を読み取っているつもりですが、人間主体の要求に重きを置く事が少なくありません。
自然に対して謙虚にアプローチすることを意識させてくれた今回の見学となりました。