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-2012.8.30-
直島建築見学1
直島のアートについては所員ブログを見ていただくとして。
http://faesyoin.blog64.fc2.com/blog-entry-734.html
こちらは、見てきた建築の感想を綴ります。
先ずはカーフェリーで宮浦港に到着。
ここは海の駅なおしまがあります。
いきなり、テンションが上がります。
おまけに広場の端には草間彌生のかぼちゃスカルプチャーが有り気持ちの高揚を抑えるのが大変です。
ブリツカー賞受賞建築家ユニットSANAAの設計です。
単純な構成ですが近づくにつれて、一抹の不安のような奇妙な感覚を感じる事になります。
建築を学んだものが持っている柱の太さ、梁の大きさというスケール感を裏切られた事によるものだと思います。
極限を超えているかのような部材で構成されている?ように見えるので、緊張感、浮遊感、透明感、非日常的な感覚が呼び覚まされます。
これは妹島和世氏の「古河総合公園レストハウス」と似た構成ですが身体感覚的には明らかに別の建築です。
柱のスパン(間隔)が7-8Mはあります。
平屋建てとはいえ鉄骨構造で軒高も高いところで5M近くはあろうかという建物で柱は10cm以下というのは考えられません。
つい癖で柱をコツいてみると??表面は金属の手触りですが金属音がしません!!
もしや、CFT(Concrete Filled Steel Tubeコンクリートを充填する構造形式)
なるほどコンファインド効果(鋼管とコンクリートの相互拘束効果)があるので剛性、靱性が大きくのでその分細くできるということでしょうか。
良く見ると鏡の壁が数箇所有ります。
これは地震力を受け持つ壁ではないでしょうか。
梁と屋根の先端の厚みも異常に薄い(15cm?)7-8Mのスパンにしてこの梁成はありえません。
これも良く見るとG梁となる部分に巾が広い部分が有ります。
形式は2パターンくらい類推する事が出来ますがここに秘密が隠されていそうです。
梁と柱の剛接合部分のボルト取りがまったく無いので現場溶接ということでしょうか?
構造設計のテクノロジーと現場の技術の裏づけがないと出来ない建築です。
基壇の上に建築が乗るのが定説ですがここでは外部の地面と建築の仕上げが同じなので建物が地面から生えているような、イヤ、どこかから飛んできてこの場所に舞い降りたような感じがします。
床も微妙に起伏が有りうねっています。(これはロレックスラーニングセンターの床の起伏の発想の基点になったのでは?と思いました)
直島に上陸していきなりこの建物を通して感じた感覚はまさにサイトスペシフィック・ワークス アートの島としてのプロローグなのでした。