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建築家のブログ

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-2012.4.13-

屋根の耐用年数とメンテナンス方法

今回は屋根の材質ごとに耐用年数とメンテナンス方法を簡単にまとめたいと思います。

屋根のメンテナンスは「防水性の維持」と「変色などに対応する美装」の両面で考えます。
雨漏りについては、屋根材自体の劣化が原因だけでなく、屋根材の葺き方のずれや割れ、下地の防水性が関係している事が多いので屋根全体を定期的に監視点検する事が重要となります。

屋根の種類を大別すると

・スレート系
・人造スレート
・天然スレート
・セメント系
・粘土系
・釉薬瓦
・無釉瓦
・金属系
・ガルバリウム鋼板
・銅板
・チタン
・陸屋根
・シート防水
・FRP防水
・塗膜防水

等が有ります。

屋根材ごとの耐候年数とメンテナンス方法は以下の通りとなります。

■スレート系

<材質>
人造スレート(カラーベスト)
<耐用年数>
30年から50年(現在の商品はかなりアップしている)
<メンテナンス>
美装目的で、10年から15年に1回程度の塗装

<材質>
天然スレート(玄昌石など)
<耐用年数>
半永久的(外力等が加わって割れるまで使える)
<メンテナンス>
退色しないので塗装の必要もなし

■セメント系

<材質>
洋瓦、モニエル瓦など
<耐用年数>
30年から40年
<メンテナンス>
美装目的で、15年から20年に1回程度の塗装

■粘土系

<材質>
釉薬瓦(陶器瓦)
<耐用年数>
半永久的
<メンテナンス>
20年から25年以降で褪色が有る場合、美装目的で塗装
※「セラミトウキコート」等の釉薬瓦用の塗装材も存在

<材質>
無釉瓦(いぶし瓦、スペイン瓦など)
<耐用年数>
40年から50年(ヨーロッパ製のものは釉薬瓦より短い)
<メンテナンス>
塗装の必要なし(経年変化が気になる場合は塗装)
※「いぶしコート」等のいぶし瓦用の塗装材も存在

■金属系

<材質>
ガルバリウム鋼板
<耐用年数>
素地で40年
<メンテナンス>
美装・耐候性目的で塗装
(フッ素樹脂塗装の場合20年に1回程度)

<材質>
チタン亜鉛合金
<耐用年数>
半永久的
<メンテナンス>
塗装の必要なし(パティナ層の経年変化)

<材質>
銅板
<耐用年数>
素地で50年から60年
<メンテナンス>
緑青(自然酸化)徐々に母材が薄くなる

■陸屋根
シート防水、FRP防水、塗膜防水の劣化の要因は紫外線です。
トップコートや保護層は紫外線の防止のために必要で耐候性はトップコートの物性によることになります。
耐用年数やメンテナンス方法は、大きく分けると露出と保護層がある場合で異なります。

・露出の場合・・・

<耐用年数>
トップコートという塗装がされていて7年程度
<メンテナンス>
耐候性、美装目的で塗装

・保護層(モルタル、タイル等)がある場合・・・

<耐用年数>
厚みによるが割れて浮が無ければ問題ない(40年程度)
<メンテナンス>
塗装必要なし

※耐候年数は、商品、メーカーで違いがありますが、種類別の一般的な考え方です

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