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-2011.5.19-
せがい造り
以前、FORMAの建築見学で河井寛治朗記念館を訪れた時非常に印象に残ったのが2階がせり出した外観でした。
京都町家の平入り屋根の軒を深くとっている場合とよく似た組み方でしたが河井寛治朗記念館では壁もオーバーハングしています。
伝統的な工法なのか寛治朗が考えたものなのかこの部分が非常に気になっていましたがその謎が解けました。先日、住宅医スクールで松井郁夫氏の講義の内容の一部、日本の民家の種別をさらっと見せていただいたのですが中山道のせがい造りの民家の造形に目にとまりました。
その時、寛治朗記念館の受付の方とで雑談していた時の会話が過りました。
「寛治朗は家を設計するにあたって岐阜、飛騨などの民家を参考にしたらしいです・・・」
寛治朗が参考にしたのはまさにこれだったのです!
せがい(船外)は船の多くの荷物を載せるために床面積を少しでも広くするために用いられた梁のかけ方を建築に利用したということです。
調べてみると飛騨だけではなく岩手、宮城、群馬、新潟等雪の多いところに、せがい造りの建物が少数ですが現存しているようです。
京都は両隣の隙間がないので一方せがいですが、三方せがい、四方せがいというものもあるようです。(ちなみに松井氏は四方せがいを設計されています。)
なぜ寛治朗は京町家のような下屋根をつけずにせがい造りにしたのか?気になるところです。
先週、相談に来られた方は飛騨高山から来られた方です!飛騨つながりで不思議な縁のようなものを感じます。