いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

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-2011.4.20-

フェンス、手摺のデザイン(その1)

外構や外回りの設計を行う際に高低差がある場合には、フェンスや手摺(落下防止柵)が必要となります。

フェンスや手摺が必要となった場合には、メーカーが製造する既存の外構製品の中から選ぶことが多いと思いますが、ちょっとした工夫や組み合わせでフェンスや手摺を魅力的に設計することが可能です。

■ 海岸沿いの落下防止フェンス。

s-wood&steel01

耐久性のある木(ウリンやセラガンバツ等)を柱にしてスチールパイプとワイヤーの組み合わせ。

スチールパイプの亜鉛メッキの白ぼけた風合いが良い。木の柱も将来はグレーに近い色に変化していくと思われます。

■ 公園に設置されたフェンス

s-wood&net

上記の落下防止フェンスと同じく、木製の柱に工場生産のようなネットフェンスの組み合わせ。緑が溢れる穏やかな周囲の風景とフェンスの経年変化が馴染んでいて良い雰囲気ですね。

新品のようなツルツルピカピカの周囲の中で、そこだけ錆びているのは嫌なものですが、周囲の風景とのバランスが取れていると、フェンスの錆色もきれいに見えてくるから不思議です。

■ 木製の目隠しフェンス

wood

次は、FORMAで定番となりつつある木製の目隠しフェンス。

フェンスの材料として用いた木材に耐候性のある木材保護塗料を塗っています。最初にフェンスを設置してから約1年後に再塗装しました。

風雨による塗料の劣化の様子を見ながら、2年~3年に一回程度の再塗装によるメンテナンスが必要となります。

場合に応じてフェンスの柱は、木製をアルミやステンレス、スチールと使い分け、フェンスの上部には雨よけの笠木を庇(これは必須!)のように取り付け耐久性を持たせています。

■ 金網と自然石を使ったフェンス

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最後は、ちょっと番外編となりますが、金網と自然石を使ったフェンスです。

建築業界では、通称「ふとんかごに石」と言います(笑)。ワイルドな敷地などでちょっとした土留めに使えます。間に土を入れて草花を植えてもいいですね。

このようにフェンス材料自体は安価でも必要な性能や耐久性を考えデザインすることで一味違ったものを作ることができます。