建築現場日記
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-2024.5.21-

陽と樹の家

鷹峯三山(鷹峯・鷲峯・天峯)を背に、京都盆地の北の端に位置するここの地域は、寒暖の差が大きく鮮やかに四季がうつろう場所でもあります。また、旧光悦村という歴史は、風致地区という規制になって景観、風景が今後も守られていきます。

新しい住まいの計画です。太陽の光や熱、風、雨水など、自然の恵みを最大限に活かし、ゆったり流れる時間、静かな落ち着いた暮らしを包む家は敷地内の樹々と一体化し、周辺の景色をつくり、地域の風景となっていく想定です。

-2024.5.17-

風致地区の協議 陽と樹の家

計画地は変形地で風致地区と山ろく型建造物修景地区にまたがる敷地です。

風致地区の規制には外観の素材、形態、色、緑地義務、建ぺい率低減、後退距離等が有ります。

今回は敷地が変形しており、隣地との高低差があることから擁壁が敷地内に突出して築造されている事も有りパッシブデザインと様々な与条件を満足するため規制ぎりぎりのラインを攻めた計画になっています。

風致課担当者に事前にヒアリングしてプランを固めたところ課題とは異なる部分を指摘されたりで一進一退でした。

協議の課題点は二つ

1.後退距離緩和について

2.道路面における2階外壁ライン後退の取り扱いについて

担当者から風致課の見解の定義を事細かに確認したりデザインやスケッチを描き風致課の意思決定がしやすくするように提供したり、アイデアと風致課の考えをすり合わせた結果良い案にたどり着きました。

外壁などは設定していませんが概ねの形態はこの方向となりました

ARCHICAD(アーキキャド)という世界で使われているBIM(ビルディングインフォメーションモデリング)を使っているので計画段階からこのようにモデル化するので初期段階から形態などの共有がしやすいのです。

その代わり二次元CADに比べると入力作業は非常に増えるのですが・・・

計画段階から実施段階までデータを無駄にすることなく使える事、施工段階にも施工者に立体的な説明が可能なので採用しています。

個人事務所同士で協業する時もクラウドデータを其々で作業して一つの建築設計を行う事も可能ということにも将来性があると思います。

今回のお施主さんは3Dデータを可視化する技能をもっておられるようなのでこれからの打合せも面白いことになりそうで楽しみにしています。

今回は外観の骨格が決まったことにより基本設計を確定できることになりました。