建築現場日記
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京都東山 F邸リノベーション

-2017.10.3-

@京都東山F邸リノベーション

解体が進んでいます。

浴室部分の構造が現れました。

調査時とは違う壁の構成となっていました。

正面は土壁と思われていたところが木刷下地、筋違も入っていて、水廻りの腐朽防止のためコンクリートの腰壁が900mm程立ち上がっています。

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再計算を行い、バランスチェックを行います。

コンクリート部分は無筋の可能性が高いため新たに基礎を作り、その上に耐力壁を作ります。

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右の壁は想定外!

CBが下地になっています。

構造設計者や経験豊富な耐震診断士に聞いてみた所、耐力は計算に入れず、内側に耐力壁で補強する方法にて再計算する事としました。

幸い、寸法的にも余裕があったので間取りは変更なしとしました。

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壁の向こう側、隣地は少し高くなっていて、擁壁と建物の隙間あたりに湿気がたまるようなので、腐朽の対応としてCB積みにしたのかも知れません。

50年近く前の建物になりますが、敷地を見て判断して作っているという事が良く伝わってきます。

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家を建てる時には、敷地それぞれにおいて性格が異なるので、劣化対策においては特にこのような判断をしながら設計する事が大切なのです。

先人の思いをしっかり受け取り、改修していきたいと思います。

そして、二階床の解体状況。

物置になることから床の補強と、水平構面を補強する事も兼ねて行います。

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上部構造は古民家?移築時の大きな部材を使っていて、建て方は京町家に近い構成です。(小屋組みは登り梁等を使う現代的?な架構)

柱の下部や基礎は伝統工法ではなく、コンクリートの布基礎で固定されています。

なので、本来の伝統工法の建物のように粘って持つ事に対して足元が固定されているので粘れない状況。

構造設計者にも相談した結果、存在壁のバランスを整え地震時の揺れの偏りを無くす方針で改修する事としています。

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解体してからでないとわからない事が多いですが、その都度工務店さんから状況を伝えてもらっているので助かります。

 

 

 

 

 

 

-2017.9.8-

@京都東山F邸リノベーション 見積もり調整

クライラントと工務店さんは以前からのお知り合い。

計画時から新田工務店さんにお願いしたいというご要望があり、顔合わせをした後に計画が始まりました。

いわば特命での依頼という事ですが、こういう関係を築かれているという事に感心しました。

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社長の新田さんのはっきりした物言いと人柄と仕事っぷりがそうさせるのではと推察しています。

先日の排水枡の一件、対応や説明がスマートでお客様に対する親身な目線が理解できます。

予定が詰まっていた水道屋さんも事情を察し緊急対応して頂くまでの関係性も普段の付き合いがしっかり出来ていてこそ。

このような連係プレイを見ると気持ちが良くなりました。

本日は施主に対する見積もり説明と減額可能箇所の確認。

今やるべき事、今後必要になる事等、建物の状況を設計者、工務店が施主に説明し納得のいく結論を提示し承認してもらいます。

費用を掛けるところ、割り切るところのメリハリが付き減算方向に向かっています。

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今回採用の「びおソーラー」の説明も再度行いました。

太陽光という自然エネルギーを熱源とした空気集熱式暖房という性格を理解して頂けたかと思います。

結果、採用となりました。

春と秋を延長して自然室温で暮らす家に近づけます。

次回は来週の設備機器の仕様決定の相談となります。

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建築というわかりにくい世界では当たり前の事でも施主は知った上で判断する事も大事だと思います。

知ってもらう為の説明は設計者も工務店も努力するべきところ。

今回は最初からうまく連携で来ているのがありがたいと思います。

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契約は未だですが既に着工日も工程も仮決定しています。早めにこの辺りがクリアになると工事前の片づけや段取りもスムーズに事が運びます。

こういう事は工事管理の基本中の基本、これが無いと効率化も合理化も始まりません。

完成までよろしくお願いいたします。   (契約未だですけど(笑)

 

 

 

-2017.8.31-

@京都東山F邸リノベ 設備調査

この外観、いつ来てもいい雰囲気を醸し出しています。

 

塀に囲まれた庭、庭に開いた家と作業場のカタチ、使われる素材。

時を経るほど風合いが出てきます。

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そんな中、見積もりの為に設備の再確認を行います。

と皆さん揃って調査が始まりすぐに「おおっー!」という声が。

報告を聞いてみるとなんと中間の排水升に問題があるようです。

どうも底が抜けていて流れていないことが発覚。

いつから起こっていたかは不明だけれど、これは至急に直さなければという事で、設備屋さんが即対応してくれることになりました。

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引き渡しの説明として半年に一回は枡を点検してくださいとお願いはしていますが、現在の枡は小口径枡と言って塩ビの成形品なので底が抜けることはまずありませんのでご安心ください。

コンクリートで作られた古い枡の場合はこういう事も起こる事がありますので、点検が重要です。

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現在は見積もりとクライアントの要望の摺合せを図面で整理する段階。

工程も定まり、そこに向けて作業は進みます。